HYPNOTIC DOLLS annex
企画・リク用別館。 DOLLS・同人・BLに興味の無い方はご遠慮ください。
星の降る。。
- 2010/07/16 (Fri) |
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御子柴×式部←藤堂。七夕の話。
まだ総隊長が長期休暇中という設定で。
厳密に云うと、七夕の翌日の話、です。
PCのトラブルで本館サイトが全くいじれなくなってしまって、少し遅れましたがこちらへUPしてみました。
それ故少し長めで読みづらくてすみません。
なんかもーいろいろ凹んでいますので、気に入っていただけたら拍手やコメント等よろしくお願いします。。
まだ総隊長が長期休暇中という設定で。
厳密に云うと、七夕の翌日の話、です。
PCのトラブルで本館サイトが全くいじれなくなってしまって、少し遅れましたがこちらへUPしてみました。
それ故少し長めで読みづらくてすみません。
なんかもーいろいろ凹んでいますので、気に入っていただけたら拍手やコメント等よろしくお願いします。。
―星に 願いを―
「少しだけ寝かせて」
本日の任務を終えてバンに戻り、後部のドアに寄りかかって座っていたら式部隊長が隣に来て腰を下ろし、耳元で小さくそう云って僕の肩に頭を乗せてきた。
「また眠れなかったんですか?」
多分昨日の夜はうちに来なかった。
「また、って」
瞼を伏せて口角だけ上げて皮肉っぽく笑ってから、綺麗な横顔を見せて瞼を閉じた。
「待ってたら朝になっちゃって。。て。。」
語尾が曖昧になって間もなく、微かな寝息が聞こえてきた。
寝てるの?と、式部隊長を指差して口だけ動かして訊いてきた柏原班長に頷いてみせる。
式部隊長が一晩中寝ないで待っていたのは、メールか電話。
迷惑かもしれないと自分からはしないで、御子柴隊長から来るのを待っていたのだと思う。
前に一度、式部隊長から連絡を取ったら喜ぶと思うと云ったら、それは違うんじゃないかな、と、微笑まれた。
長期休暇中の御子柴隊長からの連絡はたまに来る程度で、第三部隊は本部で本人と何回か会ったと聞くけれど僕達とは出会ったことがない。
3人で居た時よりも元気に任務をこなしているようにしている式部隊長も、ふとした時に悲しげな表情を見せる事が多くなってきた。
もう何年も組んでいて、こんなに長く離れているのは初めてだそうだ。
「昨日の夜ね。。」
寝ているとばかり思っていた式部隊長が突然喋り出して驚いた。
「日付が変わる前に笑太君から電話がかかって来て」
電話、来たんだ。。
なら何を待っていて眠れなくなったのか?
「どうでもいいような事を沢山。。スッゴくたっくさんお喋りしてたらね、近くに居る感じがしたんで訊いてみたら、うちのドアが見える所に居るって」
息を吸い込むように言葉が途切れて、一瞬泣き出したのかと思った。
「でも、会えないって。僕の事も羽沙希君の事も大事だから、危険だから今はお前達に会えないんだ、って。。」
深い吐息が、僕の肩にかかる。
「それでもいいから会いたいって何回も云って、二度と会えなくなるのは絶対に嫌だ、この電話も切らないでってわがまま行ったらね。仕方ないからそっち行くよ、って電話が切れて。。」
長い沈黙。
本当はほんの数分だったと思うが、僕にはとても長く感じた。
「。。来なかったんですね」
肩に寄り添う身体が、気にしなければ分からないくらい小さく震えた。
「うん。結局朝まで待っちゃった。バカだよね。七夕だったからずっと空を見てたんだけどお天気悪くて織姫も彦星と会えなかったし。。僕も笑太君に会えなかった」
こういう時どうしたらいい?
。。あの人ならきっとこうするだろうな。
御子柴隊長の真似をして、式部隊長の背中に腕を回してぎゅうっと抱き締めた。
「羽沙希君!?」
反射的に胸元に当てられた手が、やんわりと僕の身体を押し返そうとしている。
「。。大丈夫だよ。ありがとう。僕はそんなに弱くないから」
目の縁を赤くしながらも、笑顔で云うのが見ていられない。
「黙っていて下さい」
唇がキュッと閉じて笑みが消え、額を肩に擦り付けてきた。
「もう僕は誰も喪いたくないんだ。。」
前にこっそりと、自分より大事な人なんだよと教えてくれた御子柴隊長が居なくなったら、この人は壊れてしまうかもしれない。
強くても危うくて儚い。それが心配で、と云っていた御子柴隊長の気持ちが分かる。
「あの人がそんなに簡単に死ぬとは思えません」
前に御子柴隊長がやってくれたように髪を撫でていたら徐々に身体の緊張が解けて、再び寝息が聞こえてきた。
「。。寝ちゃった?」
「重いだろ?」
「ドアの方にゆっくり寄り掛けてやればいいんじゃない?」
諜報課のみんなが気にかけて声を掛けてくれたが、首を横に振る。
「ほんのちょっとでも僕で役に立てるなら、今だけでもぐっすり寝かせてあげたいんです」
3人分の優しい微笑みが返ってきて、式部隊長の肩にふわりと掛けられた毛布の両方の端が僕の身体にまで巻き付けられた。
「約束は守ってくれますよ。きっと。。」
ゆっくり上下する背中に手を撫で下ろして止めて、独り言のように呟いてみる。
気まぐれで行動が読めない人だけれど、でも、会いに行くと云っておいてそのまま僕達の。。式部隊長の前から消えたりしないと信じたい。
それに七夕の星々とは違うのだから、次に会えるのが一年後なんて事は無い筈だ。
「一日遅れだけど今日は晴れてるし、ちょっと寄り道して星でも見てこうか」
PCに向かっていた柏原班長が振り返って、片目を瞑って笑ってみせた。
―End―
「少しだけ寝かせて」
本日の任務を終えてバンに戻り、後部のドアに寄りかかって座っていたら式部隊長が隣に来て腰を下ろし、耳元で小さくそう云って僕の肩に頭を乗せてきた。
「また眠れなかったんですか?」
多分昨日の夜はうちに来なかった。
「また、って」
瞼を伏せて口角だけ上げて皮肉っぽく笑ってから、綺麗な横顔を見せて瞼を閉じた。
「待ってたら朝になっちゃって。。て。。」
語尾が曖昧になって間もなく、微かな寝息が聞こえてきた。
寝てるの?と、式部隊長を指差して口だけ動かして訊いてきた柏原班長に頷いてみせる。
式部隊長が一晩中寝ないで待っていたのは、メールか電話。
迷惑かもしれないと自分からはしないで、御子柴隊長から来るのを待っていたのだと思う。
前に一度、式部隊長から連絡を取ったら喜ぶと思うと云ったら、それは違うんじゃないかな、と、微笑まれた。
長期休暇中の御子柴隊長からの連絡はたまに来る程度で、第三部隊は本部で本人と何回か会ったと聞くけれど僕達とは出会ったことがない。
3人で居た時よりも元気に任務をこなしているようにしている式部隊長も、ふとした時に悲しげな表情を見せる事が多くなってきた。
もう何年も組んでいて、こんなに長く離れているのは初めてだそうだ。
「昨日の夜ね。。」
寝ているとばかり思っていた式部隊長が突然喋り出して驚いた。
「日付が変わる前に笑太君から電話がかかって来て」
電話、来たんだ。。
なら何を待っていて眠れなくなったのか?
「どうでもいいような事を沢山。。スッゴくたっくさんお喋りしてたらね、近くに居る感じがしたんで訊いてみたら、うちのドアが見える所に居るって」
息を吸い込むように言葉が途切れて、一瞬泣き出したのかと思った。
「でも、会えないって。僕の事も羽沙希君の事も大事だから、危険だから今はお前達に会えないんだ、って。。」
深い吐息が、僕の肩にかかる。
「それでもいいから会いたいって何回も云って、二度と会えなくなるのは絶対に嫌だ、この電話も切らないでってわがまま行ったらね。仕方ないからそっち行くよ、って電話が切れて。。」
長い沈黙。
本当はほんの数分だったと思うが、僕にはとても長く感じた。
「。。来なかったんですね」
肩に寄り添う身体が、気にしなければ分からないくらい小さく震えた。
「うん。結局朝まで待っちゃった。バカだよね。七夕だったからずっと空を見てたんだけどお天気悪くて織姫も彦星と会えなかったし。。僕も笑太君に会えなかった」
こういう時どうしたらいい?
。。あの人ならきっとこうするだろうな。
御子柴隊長の真似をして、式部隊長の背中に腕を回してぎゅうっと抱き締めた。
「羽沙希君!?」
反射的に胸元に当てられた手が、やんわりと僕の身体を押し返そうとしている。
「。。大丈夫だよ。ありがとう。僕はそんなに弱くないから」
目の縁を赤くしながらも、笑顔で云うのが見ていられない。
「黙っていて下さい」
唇がキュッと閉じて笑みが消え、額を肩に擦り付けてきた。
「もう僕は誰も喪いたくないんだ。。」
前にこっそりと、自分より大事な人なんだよと教えてくれた御子柴隊長が居なくなったら、この人は壊れてしまうかもしれない。
強くても危うくて儚い。それが心配で、と云っていた御子柴隊長の気持ちが分かる。
「あの人がそんなに簡単に死ぬとは思えません」
前に御子柴隊長がやってくれたように髪を撫でていたら徐々に身体の緊張が解けて、再び寝息が聞こえてきた。
「。。寝ちゃった?」
「重いだろ?」
「ドアの方にゆっくり寄り掛けてやればいいんじゃない?」
諜報課のみんなが気にかけて声を掛けてくれたが、首を横に振る。
「ほんのちょっとでも僕で役に立てるなら、今だけでもぐっすり寝かせてあげたいんです」
3人分の優しい微笑みが返ってきて、式部隊長の肩にふわりと掛けられた毛布の両方の端が僕の身体にまで巻き付けられた。
「約束は守ってくれますよ。きっと。。」
ゆっくり上下する背中に手を撫で下ろして止めて、独り言のように呟いてみる。
気まぐれで行動が読めない人だけれど、でも、会いに行くと云っておいてそのまま僕達の。。式部隊長の前から消えたりしないと信じたい。
それに七夕の星々とは違うのだから、次に会えるのが一年後なんて事は無い筈だ。
「一日遅れだけど今日は晴れてるし、ちょっと寄り道して星でも見てこうか」
PCに向かっていた柏原班長が振り返って、片目を瞑って笑ってみせた。
―End―
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