HYPNOTIC DOLLS annex
企画・リク用別館。 DOLLS・同人・BLに興味の無い方はご遠慮ください。
それは小さな幸せのしるし。。
- 2013/12/14 (Sat) |
- Novel-三上式- |
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すっかり過ぎてしまいましたが、
五十嵐さんの誕生日の話。。のハズが、
三上×式部のベタ甘な話に。。
因みに五十嵐さんの誕生日は10月15日なので
きっちり2か月遅れです。
そして久しぶりの更新で忘れ去られていましたよね。。
ホント色々と申し訳ありません(汗
この話とタイトルのイメージは
Mr.Children『しるし』から。
静かだけど激しく、甘いけど切ない。
そんな感じで書いてみました。
五十嵐さんの誕生日の話。。のハズが、
三上×式部のベタ甘な話に。。
因みに五十嵐さんの誕生日は10月15日なので
きっちり2か月遅れです。
そして久しぶりの更新で忘れ去られていましたよね。。
ホント色々と申し訳ありません(汗
この話とタイトルのイメージは
Mr.Children『しるし』から。
静かだけど激しく、甘いけど切ない。
そんな感じで書いてみました。
― an Auspicious Sign ―
「呑み過ぎましたか?」
そんな風に云われるほど呑んではいないと言い訳できなかったのは本気で驚いていたのと、困っている顔が珍しいかったから。
突然カウンターの向こうに現れた式部は、呆れたように笑って見せた。
「何で。。?」
「俺が呼んだんですよ」
五十嵐は、驚いて言葉を失った私を面白いものでも見るような目で眺めて答えてから、式部に私の隣の席を勧めた。
「何か飲むか?」
そう訊かれて式部は肩を竦め、椅子をこちらの近くへ気持ち寄せてから腰を下ろした。
「僕はお迎えですから、飲んじゃダメでしょ」
「お前ザルじゃないか。しょーもない元上司を迎えに来てくれたご褒美に一杯だけ奢ってやる。何がいい?」
「今は保護者ですからね。仕方無いです」
「保護者、ね。ふぅん」
上機嫌の五十嵐を横目で睨み付け、カウンターに置いた肘に何気ない様子で触れてきた式部の手を意識する。
「。。。いつ?」
左に居る式部の顔をもう一度見てから、右横の五十嵐を睨みつけて問い質す。
呼んだことすら気付いていなかった。
「さっき。三上さんがトイレに行った隙にメールをちょいちょいっ、とね」
表情も口調もやけに楽しそうで寧ろ腹が立たない。これが五十嵐の得なところだ。
「僕、これでいいです。いただきます」
手元からグラスが取り上げられ、眼鏡のフレーム越しに見えていた唇に茶色い液体が吸い込まれる。
カランッ。
綺麗な球状に削られた氷がグラスに触れて、軽やかな音を立てた。
「旨いだろ」
自慢気な五十嵐の声に、それは私がボトルキープしているヴィンテージ物のウィスキーだ、と、反論する気も起きない。
「うん、美味しい!」
触れていないのに体温を感じる気がするのは、髪が肩に付くぐらい側に居るからで、声がすぐ近くで聞こえるから。
「元気そうだな」
「お久しぶりですよね」
「特刑解体以来だろ。変わってないな」
「そうですか?」
「顔が見れて、安心した」
「三上さんのおかげでなんとかやってます」
自分の頭上を飛び交う2人の他愛もない会話をぼんやりと聞き流しながら、式部の手元からグラスを取り戻して一口くちに含む。
「あーっ!もう飲んじゃダメですよ。本当に帰れなくなります」
珍しく笑っていない、ただ困っている顔。私を咎めるように口が尖っている。
一瞬完全に我を忘れてその唇を追うようにして、唇を重ねた。
「。。っ!」
式部の、丸く見開かれた瞳が私の頭の向こうを見ていて、それでそこに五十嵐が居ることを思い出した。
「自分で思っているより酔ってますよ、三上さん!いやいや、ある意味安心しましたが」
五十嵐の冷やかすような声に顔を赤く染めて両手をカウンターの下の膝の上に引っ込めてしまった式部の、握りしめていた手の上に片手を乗せると戸惑った気配はあったが指を絡めてきた。
「もう帰りましょう」
ぎゅっと手を握られて、握り返す。
そこまでは見えていないハズの五十嵐の口の端に、意味あり気な笑みが浮かんだ。
「ああ。そうしよう」
自分ではまだ大丈夫なつもりだったが、椅子から立ち上がると足元がグラついた。
「あっ、尊人さんしっかりっ!」
云ってしまってから五十嵐の方を見て更に紅潮した頬に、寄りかかるフリをして唇を寄せる。
「俺はもう少し飲んでいくから。ご心配なく」
「すみません。お先に失礼します」
細いが筋肉質な腰に手を回し抱くようにしたつもりでも、他人から見たらただの酔っ払いが若いものに抱えられているようにしか見えないだろう。
「ああそうだ、五十嵐さん!」
一歩進もうとして式部が振り返る。
「ん~?お会計ならしとくよ。三上さんに貸しを作っとくのも悪くないからな」
「違います、違います」
私の身体を真っ直ぐにするように肩で支えると、もう少しきちんと後ろを向くようにして微笑んだ。
「お誕生日おめでとうございます。お祝いだったのにこんな風になっちゃってすみません。お詫びに今度うちでご馳走しますから、絶対に来て下さいね!」
くくくっ、と笑う声がして、
「了解。三上さんちへ行くのも久しぶりだ。楽しみにしてるよ」
楽しげに答えた五十嵐に挨拶代わりに片手を上げて見せて、式部に引っ張られるように店を出た。
「結構上手くやっているようで、ご馳走様でした、三上さん」
一人残された五十嵐は三上のボトルからの3杯目をロックで飲み干すと、プライベート用のケータイからメールを送った。
「さてうちのは迎えに来てくれるかな?」
アンタの都合に合わせて待ってるのなんかムリ!と威勢良く云ったアイツから何分くらいで返事がくるかを楽しみに、もう一杯ロックを作ってもらって飲み始めた。
―End―
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