HYPNOTIC DOLLS annex
企画・リク用別館。 DOLLS・同人・BLに興味の無い方はご遠慮ください。
そう、君が思うよりずっと。。
- 2014/11/22 (Sat) |
- Novel-御子式- |
- CM(0) |
- Edit |
- ▲Top
久々の御子柴×式部。
しかも式部の誕生日(9月21日)の話・・・
2ヶ月遅れって、ただただもう本当に申し訳なく(汗
本館サイト用に書いた御子式短編なのですが、
現在そちらが全くいじれない状況になっておりまして。
一応いろいろやってみた結果(ほぼ1年試行錯誤しましたが)
諦めるしかないという結論が出て、こちらへUP。
御子柴笑太が21歳になった後の式部清寿の誕生日に壁ドンという設定。
ってことは笑太誕短編もあったりするのですが・・・
そちらも機会があったらおいおい。
え?どこが??という感じですが、
安室奈美恵の『BRIGHTER DAY』のイメージで。
しかも式部の誕生日(9月21日)の話・・・
2ヶ月遅れって、ただただもう本当に申し訳なく(汗
本館サイト用に書いた御子式短編なのですが、
現在そちらが全くいじれない状況になっておりまして。
一応いろいろやってみた結果(ほぼ1年試行錯誤しましたが)
諦めるしかないという結論が出て、こちらへUP。
御子柴笑太が21歳になった後の式部清寿の誕生日に壁ドンという設定。
ってことは笑太誕短編もあったりするのですが・・・
そちらも機会があったらおいおい。
え?どこが??という感じですが、
安室奈美恵の『BRIGHTER DAY』のイメージで。
―BRIGHTER DAY-
「こんな所で」
「こんな所、だからだよ」
人間は死ぬと臭う。
生きているうちは皮膚や粘膜に包まれていた中身が露出し血液が流れ出すと、生臭い。
「血の味がする」
「まだ何もしてねぇって」
後ろは壁、前は死体が転がる血の海で、下がることも前に出ることも出来ず、本当は逃げる気も無く、ただ次にされる事を待つ。
「ここが切れてるからじゃね?ほら、この、端っこんとこ」
口元に顔を近付けてきてそう云ってから舌の先で左の口角を舐め、唇の隙間を広げるように捩じ込まれてくる。
そうしている間にも手の甲を焦れったそうに僕の腰の横に繰り返しぶつけてきて唇を重ね直す瞬間に、早く取れよ、と息で促される。
返り血で汚れた手袋のままで触れたくないならば先に取ってからすればいいだけなのに、と思うけれど、いつもわざわざ僕に外させる意図が分からない。
「・・・血の臭いがする・・・よ」
手袋を脱がせると決まって僕の髪を掻き上げて首から頭へ、くちづけの深さとは真逆の、慎重な手付きで触れてくる。
その、髪の上から撫でてから頭だけを抱いてくれてすぐ離す一連の動作が嫌では無いと、最近感じるようになってきた。
「少しは現場に慣れろ」
耳朶に囁かれる叱責の言葉に反論は無く、背中を壁に預ける。
「もう大丈夫です」
処刑直後にこんなことをしてくる理由は、死体の臭いにいつまでも慣れない僕を落ち着かせる為だという。
初めてそれを聞いた時はどんな理屈?!と呆れて笑ってしまった。
「落ち着いたか?」
本当は自分自身の昂った心と体を抑える為なのに何故僕を言い訳にするのかと考えながら、処理班が来るまでの短い間キスに応えているうちに、理由なんてどうでも良くなってくる。
「そちらこそ」
極力ぶっきらぼうに答えると、顎を下から掴んで顔を上げさせられて真正面から覗き込まれる。
「ん。なら、いい」
何故こんなことをするのだろう。そして何故僕は拒めないのだろう。
「なんで?って顔してるけど?」
こんな風にキスしているのを誰かに見られたら何て説明する気だろうとか、多分今夜もだろうけれど、恋人でもないし付き合ってもいないのにセックスをするのはどうなのだろうとか、気になることが沢山あって、そんな風に図星を刺されると流石に微笑みが返せない。
「いえ、そんなことは」
その手や唇や舌で触れられるのはキライではない。行為にも少し慣れてきたし、終わった後は夢も見ずに眠れるからイヤではない。身体の相性が良いらしいというのは自分でも分かるけれど、それだけで、心が見えないのはちょっと不安だ。
それでも、僕のことをどう思っているのかと訊いてしまったらどんな答えが返ってきてもきっと自分が傷付くと思うから、口に出せない。
そんな葛藤が表情に出ていたようだ。
「言っとくけど近くに居たから手っ取り早く手を出した、っていうんじゃないからな」
ムキになったように云う顔を見詰めていたら、不意に目を手のひらで覆われた。
「お前さ、俺のことどう思ってんだよ?」
逆に質問されて、数秒悩んで答える。
「ん・・・と、上司?」
耳の近くで、はぁぁっ、という大きな溜め息が聞こえた。
目隠しの下でぎゅっと目を瞑って下唇を噛み、失敗したかもしれないと後悔する。
「まぁいいケドさ。俺が聞きたかった言葉じゃなかったのは残念だった」
足の間に太ももを入れられ、股間同士を擦り付けられるようにされて、瞬間、息が詰まった。
「分かるか、清寿?」
「・・・はい」
貴方も興奮しているし、僕も、同じ。
厚みのあるコートを羽織っているこの隊服なら見た目は誤魔化せる変化をこんな風に晒してまで、僕に言わせたい言葉は何?
「ああ、処理班が着いたな」
僕の前から離れて行こうとした時、咄嗟に腕を掴んで引き寄せる。
「・・・っ?!」
自分からキスしたのは初めてだった。
「御子柴隊長、手を、離さないで」
云った直後に立ち眩みがして、そのまま腕の中に倒れ込む。
「背中!血だらけじゃねぇか!!怪我してるんなら先に云え!!」
「でも云ったら、して貰えなくなるから・・・」
少しづつ視界も音も不明瞭になってゆく。
「バカだな。キスくらいいつでもしてやる」
肩に回された手に力が籠もるのを意識しながら、薄く微笑む。
「そんな軽いものなんだ?」
「たくっ!いちいち云わないと分からねぇのかよ」
分からないよ。
誰よりも近くに居るから嫌われたくなくて、抵抗出来ない。
唇を重ねていても、抱き合っていても、プライベートを語りたがらないから何も知らない。
それでも好きだなんて、気のせいなのかもと度々思う。
そんな僕の気持ちだってひとつも貴方に伝わっていないじゃないか。
「お前今日誕生日だよな?」
あ・・・。
自分ではすっかり忘れてたけど、そうかもしれない。
「二十歳になったらちゃんと伝えるつもりだったんだ」
「未成年淫行の歳はもう過ぎてるよ?」
「バッ、違うっ!気持ちの問題って云うか、立場上の関係と云うか・・・」
「なら後で・・・もっと血のニオイのしない所で、聞きたい・・・」
抱き締め直してくれた腕の中で意識がブラックアウトした。
―End
PR
What’s New!!
(01/06)
(11/22)
(11/12)
(12/14)
(05/27)
COMMENT