HYPNOTIC DOLLS annex
企画・リク用別館。 DOLLS・同人・BLに興味の無い方はご遠慮ください。
プラトニックに。。
- 2010/04/25 (Sun) |
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u-様からのリクエストにお応えして。。
サイト1周年おめでとうございます♪
式部←柏原。御子式前提でほろ苦。
気になる、から、好き、の間の話。
本誌連載の裏側の、第一のリアルタイムっぽく。
清寿の代わりに五十嵐さんが友情出演←
DOLLSアダルト組贔屓なもので(笑
サイト1周年おめでとうございます♪
式部←柏原。御子式前提でほろ苦。
気になる、から、好き、の間の話。
本誌連載の裏側の、第一のリアルタイムっぽく。
清寿の代わりに五十嵐さんが友情出演←
DOLLSアダルト組贔屓なもので(笑
―Needless To Say―
詮索はしない。それがルールだから。
「。。んな事云ったってさぁ。。」
PCのキーボードの上に突っ伏して呟いた柏原の頭に、何かが触れた。
ノックするように2回こつんこつんと当てられて、ほんのちょっとだけ顔を上げて様子を窺うと、覗き込んでいた五十嵐と目が合った。
「なんすか?」
大きく溜め息をつきながら上半身を起こす。
「サボりか?」
からかう様に顔の前で振られた缶コーヒーを両手で受け取って、柏原は椅子に深く座り直した。
「そっちこそ。今度はどっから逃げてんです?」
五十嵐は声を上げて笑うと、目を細めたまま真面目な顔になった。
「お前ほどは逃げてないさ」
にやりと笑うと音を立ててコーヒーを啜り、部屋の中を見渡してから再び柏原に視線を落とした。
「式部が中庭でぼーっとしてたぞ」
「いいんじゃないスか?今日の任務2件終わってるんだし」
柏原は上目遣いでその顔を睨むと、視線を外して前を向く。
「さっき報告に行ったでしょ?」
五十嵐がそんな事を聞きたい訳じゃないと分かっていながら的外れな返事をしてもそんな事で誤魔化せる筈も無く、わざと大きな音をさせて缶のプルリングを外した。
「少し頑張り過ぎてるような気がしてな」
「誰が?」
「もちろん、式部が」
「“笑太君が戻ってくるまで第一の評価を下げないように僕達が頑張らないといけない”が最近の口癖ですからね」
ほぼ毎日聞いている言葉を、式部のものまねをして答える。
長期休暇中の御子柴からは何の連絡も無いようで、それを云う時の笑顔が最近痛々しく見えてきた。
「副隊長は我慢の限度ってモノを知らないから」
睡眠薬を飲んでも眠れない夜が増えてきているのは、顔色を見ればすぐに分かる。
見るに見兼ねて、自分から総隊長に連絡してみたらいい、と提案した柏原に式部は微笑んで、住所も電話番号も知らないから、と答えた。
蓮井警視の拉致事件の後引越しだけじゃなく携帯電話も変えたのは知っているが、詮索しないのがルールだから訊けなかった、と云う。
そんな悲しげな表情(かお)をするくらいなら遠慮なんてしてないで訊いてしまえば良かったのに、と、柏原には式部の行動が理解出来なかった。
数分の沈黙の後小さく吹き出して笑った五十嵐が、憮然としている柏原の目の前に2つ折にした紙片を突き出した。
「ホラ、これ。今朝頼まれたの」
伸ばしかけた手が、次の言葉で止まった。
「一応本人に了解を取っておいたぞ」
「え?ばっ!。。何でそんな余分なこと。。」
勢い良く振り返って、非難めいた目で五十嵐を見つめる。
「そしたらな、“え~?俺、清寿に教えてなかったっけ?”。。ってさ」
「総隊長らしい。。」
楽しそうな表情(かお)から目を逸らし、下を向いて大きな吐息をついた。
「教えるのを忘れたのか?教えてもらったのを忘れてんのか?どっちかだな」
「どっちもありそうだから何とも云えないってとこが、ね」
がっくり落ちた肩を軽くぽんぽんっと叩き、御子柴の携帯番号が書かれた紙を押し付けて、五十嵐は身体の向きを変えてドアへと向かった。
「柏原」
「はい?」
「お前ってホント、諜報課向きの性格してるよな」
良く云えば心配性で苦労性。
悪く云えば知りたがりでお節介。
云われなくても自覚があるから、短く舌打ちをして返す。
「渡すか渡さないかはお前に任せる。とりあえず、逃げっぱなしは性に合わないじゃないか?」
その言葉の直後、ドアが閉まって五十嵐が出て行った。
「云い逃げかよ。汚ねぇなぁ」
手の中の紙を握り潰そうとして止めて、シャツの胸ポケットにしまう。
笑顔か。戸惑いか。
この紙を渡した時の式部の反応を考えながら、柏原は云い訳のように呟いた。
「諜報課は詮索するのが仕事なんだから仕方ないだろっ」
残っていたわずかなコーヒーを飲み干すと、部屋の隅に置かれたゴミ箱に向かって缶を投げ捨てた。
―End―
詮索はしない。それがルールだから。
「。。んな事云ったってさぁ。。」
PCのキーボードの上に突っ伏して呟いた柏原の頭に、何かが触れた。
ノックするように2回こつんこつんと当てられて、ほんのちょっとだけ顔を上げて様子を窺うと、覗き込んでいた五十嵐と目が合った。
「なんすか?」
大きく溜め息をつきながら上半身を起こす。
「サボりか?」
からかう様に顔の前で振られた缶コーヒーを両手で受け取って、柏原は椅子に深く座り直した。
「そっちこそ。今度はどっから逃げてんです?」
五十嵐は声を上げて笑うと、目を細めたまま真面目な顔になった。
「お前ほどは逃げてないさ」
にやりと笑うと音を立ててコーヒーを啜り、部屋の中を見渡してから再び柏原に視線を落とした。
「式部が中庭でぼーっとしてたぞ」
「いいんじゃないスか?今日の任務2件終わってるんだし」
柏原は上目遣いでその顔を睨むと、視線を外して前を向く。
「さっき報告に行ったでしょ?」
五十嵐がそんな事を聞きたい訳じゃないと分かっていながら的外れな返事をしてもそんな事で誤魔化せる筈も無く、わざと大きな音をさせて缶のプルリングを外した。
「少し頑張り過ぎてるような気がしてな」
「誰が?」
「もちろん、式部が」
「“笑太君が戻ってくるまで第一の評価を下げないように僕達が頑張らないといけない”が最近の口癖ですからね」
ほぼ毎日聞いている言葉を、式部のものまねをして答える。
長期休暇中の御子柴からは何の連絡も無いようで、それを云う時の笑顔が最近痛々しく見えてきた。
「副隊長は我慢の限度ってモノを知らないから」
睡眠薬を飲んでも眠れない夜が増えてきているのは、顔色を見ればすぐに分かる。
見るに見兼ねて、自分から総隊長に連絡してみたらいい、と提案した柏原に式部は微笑んで、住所も電話番号も知らないから、と答えた。
蓮井警視の拉致事件の後引越しだけじゃなく携帯電話も変えたのは知っているが、詮索しないのがルールだから訊けなかった、と云う。
そんな悲しげな表情(かお)をするくらいなら遠慮なんてしてないで訊いてしまえば良かったのに、と、柏原には式部の行動が理解出来なかった。
数分の沈黙の後小さく吹き出して笑った五十嵐が、憮然としている柏原の目の前に2つ折にした紙片を突き出した。
「ホラ、これ。今朝頼まれたの」
伸ばしかけた手が、次の言葉で止まった。
「一応本人に了解を取っておいたぞ」
「え?ばっ!。。何でそんな余分なこと。。」
勢い良く振り返って、非難めいた目で五十嵐を見つめる。
「そしたらな、“え~?俺、清寿に教えてなかったっけ?”。。ってさ」
「総隊長らしい。。」
楽しそうな表情(かお)から目を逸らし、下を向いて大きな吐息をついた。
「教えるのを忘れたのか?教えてもらったのを忘れてんのか?どっちかだな」
「どっちもありそうだから何とも云えないってとこが、ね」
がっくり落ちた肩を軽くぽんぽんっと叩き、御子柴の携帯番号が書かれた紙を押し付けて、五十嵐は身体の向きを変えてドアへと向かった。
「柏原」
「はい?」
「お前ってホント、諜報課向きの性格してるよな」
良く云えば心配性で苦労性。
悪く云えば知りたがりでお節介。
云われなくても自覚があるから、短く舌打ちをして返す。
「渡すか渡さないかはお前に任せる。とりあえず、逃げっぱなしは性に合わないじゃないか?」
その言葉の直後、ドアが閉まって五十嵐が出て行った。
「云い逃げかよ。汚ねぇなぁ」
手の中の紙を握り潰そうとして止めて、シャツの胸ポケットにしまう。
笑顔か。戸惑いか。
この紙を渡した時の式部の反応を考えながら、柏原は云い訳のように呟いた。
「諜報課は詮索するのが仕事なんだから仕方ないだろっ」
残っていたわずかなコーヒーを飲み干すと、部屋の隅に置かれたゴミ箱に向かって缶を投げ捨てた。
―End―
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