HYPNOTIC DOLLS annex
企画・リク用別館。 DOLLS・同人・BLに興味の無い方はご遠慮ください。
高熱。。
- 2011/05/14 (Sat) |
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お題4作目。
三上×式部←御子柴。
お題3作目のつづきとなっています。
恋する清寿の話とでも云いますか。。
常時監視を受ける環境は不自然で精神に負荷がかかる。
でもそれを受け入れざるを得ないのなら慣れるしかない。
例え高熱に浮かされても好きな人の名すら呼べない。
傍に居て、と、声に出してもいけない。
医務室に監視カメラがあるのは本編で出てきましたが。
ベッドくらいはカーテンを閉めれば密室になるだろうと。。
この話の続きは皆様へ委ねます。
L'Arc〜en〜Ciel『fate』のイメージで。
歌詞とむせび泣くようなギターの音色が切ない楽曲です。
三上×式部←御子柴。
お題3作目のつづきとなっています。
恋する清寿の話とでも云いますか。。
常時監視を受ける環境は不自然で精神に負荷がかかる。
でもそれを受け入れざるを得ないのなら慣れるしかない。
例え高熱に浮かされても好きな人の名すら呼べない。
傍に居て、と、声に出してもいけない。
医務室に監視カメラがあるのは本編で出てきましたが。
ベッドくらいはカーテンを閉めれば密室になるだろうと。。
この話の続きは皆様へ委ねます。
L'Arc〜en〜Ciel『fate』のイメージで。
歌詞とむせび泣くようなギターの音色が切ない楽曲です。
―4.高熱~fate~
例えどんなに高い熱にうなされていたとしても口に出してはいけない。。
四六時中監視されている身にはそんな言葉がいっぱいある。
「。。。っ」
ぼんやりと白い天井を見上げて呟いてしまいそうになった言葉を吐息に変えて飲み込んだ。
ベッドの上に投げ出した腕すら自分のものではないように怠くて、少しでも眠った方がいいだろうと瞼を閉じても眠りに落ちることが出来ない。
笑太君は何て報告してるのだろうか?
あの人は。。心配してくれるかな。。?
誰か。。
誰でもいい訳じゃないけれど、誰か、傍に居て欲しい。
自分の肩を抱いてぶるっと身体を震わせたら笑太君が怪訝そうに僕の顔を覗き込んできた。
「どうした?」
「ちょっと寒気がして」
1件目の処刑で怪我をして先刻医務室で縫ってもらった傷の上を避けて僕の額に手のひらを当てた笑太君が、あからさまに表情を曇らせた。
身体の奥から湧いてくるような震えは発熱の兆候。
治療をしてくれた医師が傷口の周りが随分汚れていて多分黴菌が入っているから熱が出るね、と云っていたけど、思っていたより早かった。
「相当熱あるな」
まだ寒気がしているから今よりもっと熱が上がるに違いない。
「今日はこれでおしまいの筈だから早退していいよ」
2件目の処刑を終えて法務省へ戻るバンの中、後部ドアの前に並んで座る笑太君の肩に寄り掛かる。
「もう終わりなら早退しなくてもいいよね?」
傷が疼くように痛むのは熱のせい?
それともこれを見て三上さんがどう思うか心配だから?
「じゃあ報告は俺が行くからお前は医務室で休んでろ」
眉を顰めて僕の顔を見ると、隅の方に畳んであった毛布を引っ張り出して広げてかけてくれた。
「。。僕も行く」
ムスッとされても怒られてもいいから、貴方の顔が見たい。
「来なくていい」
「でも。行きたい」
相手が笑太君であっても。。笑太君だからこそ、その理由を正直に伝えることが出来なくて、真っ直ぐ僕を見つめている視線から目を逸らす。
「行きたい、と、行ける、は違うだろ?とにかく、法務省に戻ったら医務室で寝てろ。隊長命令だ。報告が終わったら迎えに来るから。いいな?」
こういう時ばっかり上官命令するのかと反発を覚えたけれど、実際熱も上がってきたようで身体がツラかったから黙って従うことにした。
うとうとと、していたと思う。
ベッドの周囲を覆うカーテンが微かに揺れた。
カーテンレールが立てた小さな金属音で覚醒して、近付いてくる誰かに気取られないように全身を緊張させる。
この靴音。。この歩き方。。この匂いは。。?
全神経を張り詰めさせて何者か探ろうとしたけれど、高熱のせいで五感が鈍っていて思うように働いてくれない。
寝ているフリを続けていると、立ち止まって僕を見下ろしている気配がした。
呼びたいその名は口に出せない。
監視カメラに音声を拾われてしまったら迷惑をかけるかもしれないし、相手を間違ったら傷付けてしまう。
顔に掛かった髪を払ってくれた後シーツの上の手のひらに触れてきた手を握り返して。
その指先を口元まで引き寄せ、ちゅっ、とくちづけて、耳元で僕の名前を呼んでくれるのを待った。
―End―
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