HYPNOTIC DOLLS annex
企画・リク用別館。 DOLLS・同人・BLに興味の無い方はご遠慮ください。
包帯。
- 2011/05/21 (Sat) |
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お題5作目。。その1。
三上×式部。R指定ギリギリでナシ。
お題その3、その4のつづき。
死刑囚に額を切られて負傷した清寿の話その後。
上司という建前と恋人という本音。
理性は必要、でも恋は盲目。
35歳は男盛りですからね。。という話?(笑
お題5作目はもう1編あります。
そちらもよろしくお願いします。。
三上×式部。R指定ギリギリでナシ。
お題その3、その4のつづき。
死刑囚に額を切られて負傷した清寿の話その後。
上司という建前と恋人という本音。
理性は必要、でも恋は盲目。
35歳は男盛りですからね。。という話?(笑
お題5作目はもう1編あります。
そちらもよろしくお願いします。。
―5.vol.1 包帯
――いつからそんな表情(かお)をするようになった?
「あともう少しで抜糸出来るって、今日お医者さんに云われました」
無邪気な笑みを消して、一度下へ落とした視線を戻して、真っ直ぐ私を見詰めて云う。
「傷、見せてみなさい」
ベッドの端に腰を掛け、向かい合う位置に立つ私の方へ顔を突き出した動きに合わせて、真っ直ぐな髪が白いシャツの背中から肩へさらりと流れる。
その額に巻かれた包帯へ手を伸ばし、慎重に解いてゆく。
「もう痛くは無いのか?」
ひとつ深く頷いたのに、膝の上に並べて置かれた拳が強く握り直されるのが見えた。
「まだ痛むのなら。。」
「ちがっ。。違います。緊張しているだけ、です」
何故緊張しているのか問い質そうとした時に包帯の端が見えて、こちらが手繰り寄せるより早く顔を隠すように滑り落ちた。
それを除けると、紫色の大きな瞳が私を凝視していた。
確かにその瞳には緊張感が漲っていて、囚われたように目が離せなくなる。
「ガーゼを取って見ても?」
了承の頷きで目線が外れて安堵感を覚えた。
そして我ながら呆れる程ぎこちない手付きでガーゼを止めていたテープの片方を剥がして捲る。
「まだ痛々しいな」
人形の様と揶揄される所以の滑らかな肌に残るのは、任務中に死刑囚から付けられた刃物で切られた傷。
あと少し位置がズレていたら目をやられていたかもしれないと思うと、何とも云えない憤りを感じた。
「まだまだ治りそうにない感じ。。なんですね?」
私の顔色を見て両肩から力を抜き、落胆したように呟いた仕草が愛しくて。
理性で抑えるより先に衝動的に唇を重ねていた。
「ん。。っ!んっんっ。。っ」
舌と舌を絡ませると甘い吐息が零れた。
背中に回された手がしがみつくように強く握られると、唇を求め合いながらふたり重なってベッドに倒れ込んだ。
「だめ。。っ!尊人さん自分で。。治るまでっしないって云っ。。!っや。。ぁ」
閉じられていた膝を開かせて足の間に強引に割って入る。
出鱈目に背中や胸や腹を叩いてくる両手を取って頭の上で押さえつけると、手元にあった包帯で手首を縛り自由を奪った。
「尊人さんっ?!」
――いつからそんな色っぽい表情(かお)で私を見るようになった?
「何故抵抗する?望んでいるのは私だけではない筈だが?」
清寿の咽喉がごくりと鳴って、掠れた吐息が唇から漏れた。
「この怪我が完全に治るまで僕に触れないなんて勝手に宣言して、毎日時間を作って電話はしてくれるのにふたりで会うのはダメって。。もしかしたら嫌われたのかなって思って不安だったから、嬉しい」
だから今日うちへと誘った時から妙に緊張していたのか、と思い当たる。
「。。不器用ですまない」
分かってます、と、声に出さずに云って微笑んでから瞼を閉じ深く息を吐いた清寿の口元に唇を押し当てて、戯れるようにくちづけを交わす。
「手を、取ろう」
「ううん、いい」
両方の手首を包帯で結ばれたままの腕を私の首に通して抱き付いてきた。
「こうすると離れたくても離れられない気がしません?」
これではまるで自分の方が拘束されているようだ、と思うと、可笑しくなった。
―End―
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