HYPNOTIC DOLLS annex
企画・リク用別館。 DOLLS・同人・BLに興味の無い方はご遠慮ください。
怪我。。
- 2011/05/12 (Thu) |
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お題3作目。
御子柴→式部。
2人が組んで2年目になる頃という設定。
笑太は清寿が好きで、清寿は笑太が必要。
微妙な距離感や温度差をどう超えるか?
。。そんな話?←
AKB48『Beginner』のイメージで。
ここから始まる感じがするから。
この楽曲格好良くて好きです。。
御子柴→式部。
2人が組んで2年目になる頃という設定。
笑太は清寿が好きで、清寿は笑太が必要。
微妙な距離感や温度差をどう超えるか?
。。そんな話?←
AKB48『Beginner』のイメージで。
ここから始まる感じがするから。
この楽曲格好良くて好きです。。
―3.怪我~Beginner~
肩を強く握られた痛みと、唇に触れた温もりと共に微かにした薄甘く苦い味で“目が覚めた”。
「清寿、分かるか?」
何故か瞼を全部開くことが出来なくて限られた視界の中、開かれたドアを背に立つ真っ黒な影がそう僕に訊く。
光源がこの背中の向こう側にあるからだけじゃなくて片目が良く見えていないようだ。
「分かる。でも、もう一回。。」
背中に回された手に引き寄せられて導かれる様に一歩前に出た足元で、ぴちゃん、と鈍い水音がした。
周囲に漂った生臭いニオイで血溜りの真ん中に立っていたことを知る。
ふわりと重ねられた唇を追い駆けるようにくちづけて、荒くなった息を腕の中で整えた。
「血の味がする。笑太君、唇切れてない?」
見上げた僕に微笑んでいるであろう唇を指先でなぞろうとして、手袋が赤黒く固まり始めた血で汚れているのに気付いて慌てて脱ぎ棄てた。
「切れてねぇよ。血の味がすんのはお前の顔が血だらけだからだ」
僕の頬を擦った笑太君の手袋の指先が鮮やかな朱色に染まる。
それを見て自分の顔に伸ばしかけた手を押さえられて呆然と見詰め返したら笑太君は口を歪めて薄く笑い、反対側の手で携帯を取り出した。
「任務完了。処理班と、清寿が負傷したんで救護班も回してくれ」
ポケットに携帯をしまった手で今度はハンカチを取り出して、神妙な表情で僕の前髪を掻き上げた。
「いったぁ。。っ」
ハンカチで額の上の方を押さえられると鋭い痛みが走った。
「僕、怪我してるの?」
瞳だけ上を向いて尋ねたら、笑太君は一瞬絶句した。
「。。痛み、感じてねぇのかよ」
霞んでいて見えづらいから手の甲で違和感のある側の目の瞼の上を擦ろうとしたら、それも手首を掴んで止められた。
「擦るな!目ん中に血が入ってるんだから。痛みに鈍いにも程がある」
そんな風に云うくらい酷い怪我をしてるのだろうか?
「どんな感じ?」
「傷のこと?」
呆れた様子で訊き返す笑太君に頷こうとしたら、頭を前と後ろからぐいっと固定された。
「ん~そうだな。。結構サックリいってる。でもそんなに深くはないかな」
なら治るまでにそんなに時間はかからないな。。そのくらいにしか思わない。
「あのなぁ。。ナイフ持ってるヤツの懐にあんな風に入り込むなんて正気じゃねぇ。援護するにもこっちが危なくて手が出せないから気が気じゃねぇよ」
そこら辺は良く覚えていないし結果的に死刑を執行出来ているなら問題ないと思うのだけど、まだ何か云いたげな様子だから黙っている事にした。
「お前と居ると俺の寿命が縮む。もっと自分を大切にしてくれ」
強い口調ではない。
だからこそ本気で心配してくれていると分かるのだけれども。
「笑太君の事じゃなくて僕の事なんだから放っておいてくれてい。。」
ぱちん!
頬を軽く打たれて、改めて目が覚めた。
「強がり云うな。マジで怒ってんだから笑うのもナシだぞ」
笑太君が押さえてくれている傷口が僕の鼓動が早くなったのに合わせて、ズキン、ズキン、と痛み始めた。
―End―
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