HYPNOTIC DOLLS annex
企画・リク用別館。 DOLLS・同人・BLに興味の無い方はご遠慮ください。
Tales For Halloween。。
- 2010/10/31 (Sun) |
- Novel-御子式- |
- CM(0) |
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式部×御子柴。と云うか。。
三上×式部前提の式部+御子柴。
R指定なし。
ひとつ前のハロウィンの話と連動。
続編ではなくスピンオフ。
清寿が入隊して2年目くらいの設定。
まだちょっと幼さが残る2人。
子犬がじゃれあってるような話です(笑
三上×式部前提の式部+御子柴。
R指定なし。
ひとつ前のハロウィンの話と連動。
続編ではなくスピンオフ。
清寿が入隊して2年目くらいの設定。
まだちょっと幼さが残る2人。
子犬がじゃれあってるような話です(笑
―amber―
「この店とこの店だとどっちがいい?」
携帯を見ながらメールの文面を読み上げて訊くと、笑太君が隣で微かな溜め息をついた。
歩幅を少し大きくして横からその顔を覗き込んで首を傾げてみせると、今度は口をへの字に閉じて太い息を吐く。
「俺、やっぱ遠慮しとく」
隊服のコートのベルトに指を引っ掛けて引っ張り、足を速めて僕から逃げようとするのを阻む。
「なんで?さっきはいいって云ったじゃない?」
微笑みかけながら、でもちょっと強引に。
「ん~。。」
帽子の鍔を引くようにして目深に被り直すと長い前髪で顔が隠れてしまったから、空いている手を伸ばして前髪を乱す。
「笑太君が居てくれないと意味がないんだよ」
露わになった目を伏せてしまって、僕と全然目を合わせようとしない。
「っつーか。。それ、そもそも意味あんの?」
逃げる視線を追い駆けるように前に回り込んで、真面目な顔で深く頷いてから笑顔を作る。
「あるある!だって、笑太君だって見たことないでしょう?」
笑太君は低く唸って首の後ろを掻いた。
悩んでいるフリはしてみせても見てみたいと思ったハズだ。
ちょっとした癖で気持ちが見抜けるようになってきたから、肝心な事に関しては口数が少なくなる笑太君が読めなくて悩むことが、ほんのちょっぴりだけだけれども少なくなってきた。
「。。笑太君がどうしても嫌だっていうなら仕方ないけど」
「や、そういうんじゃなくてさ。。」
「じゃあどういうコト?」
完全に自分のペースに持ち込んで、腕につかまって足を止めさせた。
どう答えたらいいだろうと思案している表情(かお)で僕の手を払おうとしたところで、思い直したように笑太君の手が止まる。
「清寿」
「はい?」
改まった様子で呼ばれて返事をすると同時に、反射的に腕を掴んでいた手を離してしまった。
「お前にとってあの人って、何?」
不機嫌を覚悟した割に簡単な質問が来て、内心驚きながら返事をする。
「あの人。。?ああ!う~んと。上司」
顎を心持ち上げて、ふぅん、とでも云いたげな表情(かお)で上から見下ろした冷たい色の瞳が、やっとちゃんと僕を見た。
「じゃあ、お前にとって俺は?」
これにも迷うことなく即答。
「僕の大切なパートナー」
それが何?という感じで胸を張って答えたら、笑太君は突然声を上げて笑い出した。
「お前ってさぁ、天然なんだか完璧なんだか!」
意味が解らなくてきょとんと見返す僕の頭を、お腹を抱えて笑い続ける笑太君の手が撫で回す。
髪をぐしゃぐしゃされると昨日切り揃えたばかりの毛先が襟元で遊んでくすぐったくて、僕も思いっきり笑いたくなってきた。
「ねぇ行こ。奢ってくれるよ?」
その時ポケットに入れていた携帯が震えて、届いたメールを読み上げる。
「『一度戻って車を置いてくるから先に行ってて』って」
顔を上げて、反応を窺う。
「TRICK or TREAT!って云やぁいいんだろ?」
どうせ俺はハロウィンの悪戯の仕込みなんだから、と前置きをして笑太君は悪戯っ子みたいな笑みを浮かべた。
「驚いてくれるかな?」
「。。驚いたとしてもフツーの顔しそうじゃねぇ?」
「するする!」
更衣室で並んで着替えながら目を合わせて吹き出す。
「三上さんの、本気でビックリした顔が見れたら成功だね」
笑太君は僕をちらっと見て、シャツの袖に腕を通して上に伸び上がり、今日は呑むぞー!と独り言のように云った。
―End―
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