HYPNOTIC DOLLS annex
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- 2010/10/26 (Tue) |
- Novel-三上式- |
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三上×式部。
でもアダルト組2人が話しているだけという。。
式部は話題の中でしか出てきません。
三上さんは茶目っ気もあって結構笑う人。
そんなイメージで書いてみました。。
小説のタイトル『amethust』はギリシャ語。
『(酒に)酔いつぶれない』という意味でアメジスト(紫水晶)の語源です。
一応ハロウィンの話だったりして。
全然それっぽくなくてすみません。。(汗
でもアダルト組2人が話しているだけという。。
式部は話題の中でしか出てきません。
三上さんは茶目っ気もあって結構笑う人。
そんなイメージで書いてみました。。
小説のタイトル『amethust』はギリシャ語。
『(酒に)酔いつぶれない』という意味でアメジスト(紫水晶)の語源です。
一応ハロウィンの話だったりして。
全然それっぽくなくてすみません。。(汗
―amethust―
「またバッサリといきましたね」
完全にドアが閉まったのを確認して唐突に切り出してみる。
何を云い出したのかと怪訝な顔を返されたからわざと大袈裟に云う。
「髪ですよ!式部の。腰くらいまであったのに。20cm?いや30cmくらい切ったかな?あれは」
肩の高さで水平に動かして見せている手の辺りをどうでも良さそうな表情(かお)で一瞥して、手元にあった書類を束ねて差し出してきた。
「笑太と何かあったんですかね?」
それを受け取りながら、わざとらしく呟いてみる。
「今の報告に問題は無かったように思うが?」
三上さんは視線すら動かさずに云ってから、別の書類を手に取った。
この機に乗じて訊き出したい事はいろいろあったが、ここまでか。
「確かに。。そうですね」
そんな戯言に付き合っているヒマは無いと怒られる前に、この話題は終わらせた方がいいかもしれない。
「何も無くても髪くらい切るだろう?君は違うのかい?」
そう返されたのが意外過ぎて、虚を突かれた。
「あ~まぁそうですが。。式部ってもうちょっと髪にこだわりがあるような感じがしまして。。」
カマを掛けるにしろもうちょっと気の利いた訊き方をすれば良かった。。!咄嗟に反応出来なかった自分にダメ出ししながら、相手の様子を窺う。
「髪を切るのに深い意味は無い。本人はそう云っていたが」
任務完了報告を終えて御子柴と式部が並んで出ていったドアの方を遠い目付きで眺めて云った三上さんの顔を、穴が開く程見詰めてしまった。
「三上さん。。いいんですか?」
眼鏡越しに横目でこちらを見た瞬間だけ、唇の端に薄く笑みが浮かんだ。
「何の事だ?」
その時スーツの胸ポケットでプライベート用のケータイが震えて、三上さんはそちらへ視線を落とした。
安堵したのも束の間で、ぱちん、とケータイを閉じて、問い詰めるように、言葉を短く切りながら同じ質問を繰り返してきた。
「何、の、事、だ?」
10年も一緒の職場で働いていてある程度気心は知れていると云っても、訊けることと訊けないことがある。
ことプライベートに関しては徹底的な秘密主義を貫いていて、優秀さを誇る特刑の諜報課でも全貌を掴めないくらいガードが固い。
しかも部内で絶対に近い権力を持つこの人に、ぶっちゃけ式部と付き合ってるんでしょう?。。なんて軽々しく訊けたものではない。
甘さの一欠片もない冷ややかな視線を浴びせかけられて、背中に冷や汗が滲むのを感じた。
万事休す。
とにかく何か云わなくては。。と口を開き掛けた時、それまでの沈黙を破って低い笑い声が響いた。
「諜報課のお楽しみを奪って申し訳ないが、賭けに加担する気は無い」
呆然と見守ることしか出来ない俺に、笑いを噛み殺して三上さんが云った。
「えっ?!三上さん、知って。。っ!」
両手で口を押えても、反射的に出てしまったものはもう訂正出来ない。
「引っ掛ったな、五十嵐君」
多忙な業務の間のささやかな楽しみは、ある噂が真実かデマかでコーヒーや食事を奢るか奢られるかの小さな賭け。
「。。どこまで知ってるんですか。。?」
冷徹な特刑のトップと、一番人形らしいと云われる美貌の副隊長との関係なんて格好のネタである。
「いや全く知らなかったよ。ただ今君がやたらと訊きたがるからそんな気がしただけだ」
脱力するしかなかった。
「貴方は最初から全然隠してませんでしたからね。。式部は結構努力してたのに。いや今でも頑張っているように見えなくもありませんが」
必死で隠してむざむざ諜報課に楽しみを与えるのなら、無駄な工作等せずに認めてしまった方が面倒ではない。。多分そう考えているのだろうと思われる。
それが一番この人らしい。。
胸ポケットから取り出しデスクの上に置かれたケータイがまた震え出し、届いたメールをチェックして三上さんは、独り言の様に呟いた。
「。。隠す努力をしている様には見えないがな」
その発言の意味を聞き返す猶予も与えられずに発せられた次の言葉で唖然となる。
「TRICK or TREAT?ふざけた賭けを見破った私へのご褒美は?」
今日は10月31日だったと合点するのと同時に、三上さんのデスクの端っこにいつの間にか置かれていた、多分第二部隊の仕業だと思わる小さなオレンジ色のカボチャの、人をバカにしたような三角の目と、目が合った。
「。。今夜呑みにでも行きますか?今日は奢ります」
珍しく今夜は2人共早く仕事が片付きそうだと先刻話していたところだ。
「いや。。今夜は遠慮しよう」
三上さんはきっぱりと俺の誘いを断って、淡々と続けた。
「最高のご褒美が待ってくれているようだから」
誤魔化すどころか惚気てみせるとは本当に食えない人だ。。
「あーはいはいご馳走様です。では」
部長室から出た途端無意識に、大きな溜め息をひとつついていた。
―End―
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