HYPNOTIC DOLLS annex
企画・リク用別館。 DOLLS・同人・BLに興味の無い方はご遠慮ください。
Happy Birthday 璃宮。。
- 2011/03/28 (Mon) |
- Novel-五十璃- |
- CM(0) |
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五十嵐×上條。R15(笑
一応HAPPYなハズの璃宮誕の話。。
第三好きさんには申し訳ないっ!
オトナはワガママで強引なのです。
安全地帯『じれったい』のイメージで。
一応HAPPYなハズの璃宮誕の話。。
第三好きさんには申し訳ないっ!
オトナはワガママで強引なのです。
安全地帯『じれったい』のイメージで。
―Bon Anniversaire―
「璃宮」
小さく鋭く緊張した声音で名前を呼ばれて、意識だけ横へ向ける。
「。。走るぞ!!」
突然掴まれた手首を引かれて駆け出す。
人の少ない夜の官庁街から街中に紛れ込み、わざわざ繁華街の細い路地を縫うように全力で走る。
「あのっ、何。。!?」
「とりあえず今は走れっ」
走って走って走って。
途中で降り出した雨にも立ち止まることなくめちゃくちゃに走って。
とある集合住宅の一室に駆け込んだ。
ここがどこだか分からないけれど暗い部屋にふたりの荒々しい呼吸が満ちて、それで却って落ち着かない。
激しく打つ心臓の上を手で押さえたまま、僕と同じくまだ呼吸の整わない五十嵐のくちづけを受ける。
息苦しくなって離れると求められ、向こうから離れようとすると追い縋り。
深くもっと深くもっともっと深く。
やっと息が落ち着いて唇を離すと、舌と舌の間に細い銀糸が引いた。
「どういう事?」
冷ややかに問い質しているつもりが、熱を持って火照る頬と潤んだ目の下を指先で拭われると甘ったるい吐息が零れそうになる。
「それに、ここどこ?」
財布からカードキーを出して暗証番号もスムーズに押して開けていたから適当に逃げ込んだ様ではない様だけれど。
五十嵐の部屋では無いし、人が住んでいる気配が無い。
「ここは俺の隠し部屋だ。特刑の誰にも教えていないから、誰かを連れて来たのも今が初めてだよ」
僕が初めて、という言葉にキュンとして聞き流しそうになったけれど。。
「隠し部屋。。?」
ニヤリ、と、昼間より髭が濃くなった顎をさすりながら五十嵐が笑う。
「そう。仕事に煮詰まって職場に居ても仕事が進まない時や、追跡されて逃げなくちゃならない時の避難所。だから、いいか?決して変な事をする為の部屋じゃないぞ」
「変な事。。?」
「例えば、こんな風に。。だな」
スキを突かれ、ひょいっと抱き上げられると、電気も点けないまま部屋の中まで連れて行かれて硬くて煙草臭いベッドの真ん中に下ろされた。
「濡れてすっかり身体冷えちまったから、変な事、じゃなくて、イイ事、するか」
急くように唇が首筋に埋められ、濡れて身体に貼り付いた服を乱すだけで苦戦している自分の指先に焦れるように舌先が胸元を貪る。
「ま、待って他にも訊きたい事が。。っ!」
前を開かれ下を脱がされそうになった時、我に返って覆い被さっていた身体を両手で押し返した。
「何だよ、早く温まりたいのに」
子供みたいに尖らせた唇を僕の唇に押し付けてきて歯列をこじ開ける。
「尾行けられてたんだよ。気付いてなかっただろ?」
とろんと蕩けそうになった意識が一瞬で現実に引き戻された。
「尾行けられて。。?誰に。。?」
「誕生日、おめでとう璃宮」
「。。っ!!」
目を見開いて凝視する僕を、今頃気付いたか、というように見下ろす優しく微笑んだ顔。
「去年の今頃、どうしてた?」
「瑞城の部屋でお祝いを。。あの時も僕は忘れていて、いつもみたいに仕事帰りに行ったらいきなりおめでとうって。。!」
「間違いなく黒瀬と香我美だったよ、俺達を尾行してたのは」
もしかしたら今年も僕を驚かそうとご馳走を準備してケーキを買って待っていてくれているのだとしたら。。
「帰る、か?」
そう訊く五十嵐の顔も声の穏やかさが僕には理解出来なかった。
「なんで。。?そこまで分かってて、なんで。。」
包み込む様に抱き直されて、ゆっくりと背中を撫でられる。
「云ったら迷っただろ?だから云わなかった。俺の方が先約だ」
「そんな、ズルい。。」
「狡いのは大人の特権」
「。。僕の居場所を奪わないで。。」
うそぶいて薄く笑っている顔を、下唇を噛んで睨み付ける。
「お前が産まれた日に、お前の事を目一杯愛してやりたい。その為ならどんなことでも出来るんだよ。分かるか?」
そう云いながらぎゅっと抱き締めてくれた身体が離れてゆくのを引き止めようと、背中に回した両方の腕に力を籠めた。
「そこまで云ったんならちゃんとお祝いしてよ」
「璃宮。。」
「今更謝るとかナシだからね」
戻れないのなら。。このまま戻りたくないのなら。
この温もりを失わないように努力することくらい厭わない。
「寒い。。温めて」
せっかちなのにじれったい。
大人って面倒臭いなと思いながら快楽の波の中へ墜ちていった。
―End―
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