HYPNOTIC DOLLS annex
企画・リク用別館。 DOLLS・同人・BLに興味の無い方はご遠慮ください。
雨は夜更け過ぎに。。
- 2010/12/06 (Mon) |
- Novel-五十璃- |
- CM(0) |
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五十嵐×上條。
前の話の続き。
五十嵐に誘われて呑みに行き、
お持ち帰りされた璃宮視点。
唐突にはじまる恋の話。
ツンデレ?クーデレ??
大人のセクシー???
目指したモノ悉く失敗してます。
笑(泣
ちょっと長くなりましたが。。
切るに切れずそのままUP。
前の話の続き。
五十嵐に誘われて呑みに行き、
お持ち帰りされた璃宮視点。
唐突にはじまる恋の話。
ツンデレ?クーデレ??
大人のセクシー???
目指したモノ悉く失敗してます。
笑(泣
ちょっと長くなりましたが。。
切るに切れずそのままUP。
―Drizzling rain―
結構片付いてるじゃないか、と、思った。
特刑でも部長並みかそれ以上に多忙で通勤する時間も惜しんで一年のほとんどを部内の自室で暮らしているという独身男の住まいにしては。
「マメじゃないと諜報課なんてやってられない。か」
指先で湯を弾きながら、静伽が良く口にする台詞を思い出していた。
若しくは家にほとんど帰ってきていないからこそキレイなのかもしれないが、物が少ない訳でもないからマメなのだろう。
「まぁ、悪くない」
お風呂が大きいのも気に入った。
「おい、上條。開けるぞ!」
開けると云う前にバスルームのドアが開き、湯気の向こうでも昼間より無精髭が濃くなった顔が覗いた。
「長風呂だな。。死んでんのか?」
真顔で云う五十嵐課長に向かって、太い息を吐き出しから言葉を返す。
「こういう場合普通は『生きてるか?』って訊くんじゃないの?」
「あ。。あ。そうだったな。すまん、すまん」
目を剥いて僕を見てから上を向き、楽しそうに声を上げて笑われたから少しむかっと来た。
「何それ?」
「や、本当にすまない。別に悪気があったんじゃなくて。。ん~。なんて云うかこう。。こういうやりとりを最近してなくって、な」
真っ黒な瞳を真っ直ぐこちらに向けて顎を撫でながら自分の失言を取り繕うとして、云い淀む。
「事件の事ばかりに関わっていると段々人間が歪んできて。。出来るだけ資料ばかりじゃなくお前達と直に接するようにしてるんだがプライベートな会話というモノが少なくなってしまって。はは。。駄目だな、人の権利を守る立場の者がこんなんじゃ。。」
ROT法が適用される事件は年間で膨大な数になる。
これから適用されそうな事件も含めればその何倍もの数になる。。
その資料全部に目を通し、必要なら裁判を傍聴しに行き、部隊の特徴を把握した上で担当部隊に振り分け、死刑執行後の手続きもする。
そう思うと今目の前でへらへらとご機嫌を取るように笑っているこの男が、本当は凄いヤリ手に見えてくる。
いや、実際そうなのだ。
「そういうの、嫌いじゃないんだよなぁ。。」
自分に余裕が無いから、実はデキるのにそう見せないでいてやる時はやるという人物を見ると、羨ましいと感じる前に歯痒くなる。
総隊長に突っかかってしまうのもそういう理由からで、それを瑞城と元親に見抜かれているのも悔しい。
「え?」
「べ、別に!。。」
頬が熱を持ったのを自覚して、慌てて答えた声が上擦る。
「ところで。。あのな、上條」
改まって云われて、思わず背筋が伸びた。
「なっ。。何?」
目の前の顔が、にやり、と笑った。
「お前が出てくれないと、いつまで経っても俺が風呂に入れないんだけど」
顎を上げて、冷ややかな視線で見下ろすようにして答える。
「ここまで来てるんだから服脱いで入ってくれば?」
「それはさ、一緒に入ってもいいって事?」
内緒話をするように。
急に潜められた声が艶を帯びて聞こえたのは、きっと気のせい。
「い、いいよ、だ、だって別に男同士だし。。」
頬に触れた手が髪の梳くように頭の後ろに回されて、この男(ひと)がいつも吸っている煙草の臭いが鼻をくすぐった。
そう云えば仕事中でも煙草を離さないチェーンスモーカーなのに、待ち合わせをしてから先刻まで全然吸っていなかったのは、僕が煙草嫌いなのを知っていて。。?
「そんな表情(かお)してると喰っちゃうぞ」
反応するな、僕の身体!
強がっていても優しさに弱いってそんなこと自覚している。
「不味いよ僕なんか」
「綺麗で柔らかくて美味そうだ」
。。これじゃまるで恋の駆け引きみたいじゃないか。。
「酔っ払い!サイテー!!」
「なら振り払えばいいだろ?」
押し付けられた唇を拒まずに受け入れ濡れた腕で首にしがみついた。
髭のザラついた感触が、お湯で温まっていた身体を更に火照らせてゆく。
僕達の関係はこうして始まったのだった。
―End―
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