HYPNOTIC DOLLS annex
企画・リク用別館。 DOLLS・同人・BLに興味の無い方はご遠慮ください。
少しづつ。少しづつ。。
- 2010/12/19 (Sun) |
- Novel-五十璃- |
- CM(0) |
- Edit |
- ▲Top
五十嵐×上條。
ちょっと進展?の4話目。
逡巡しつつも好きになる、
そんな少しづつ進む恋の話。
まだ手探り。。そんな段階。
12/20訂正→
3話目だと思っていたら。。
4話目でした!!すみません。
ご指摘頂くまで全く気付かず。。
ありがとうございました>小秋様。
ちょっと進展?の4話目。
逡巡しつつも好きになる、
そんな少しづつ進む恋の話。
まだ手探り。。そんな段階。
12/20訂正→
3話目だと思っていたら。。
4話目でした!!すみません。
ご指摘頂くまで全く気付かず。。
ありがとうございました>小秋様。
―Patch of Clear Sky―
一応ノックはした。
しかし待てど返事は無くてノブを回すと抵抗なくドアが開いたので、躊躇うこと無く中へ入って行った。
あまりのヤニ臭さに反射的に鼻腔を押さえる。
大袈裟ではなく視界が曇る、タバコの煙が充満した部屋。
そのほぼ中央に在るデスクの上には書類が高く積み上げられていて、奥の棚には法律や犯罪研究の本や資料がびっしりと、几帳面に並んでいる。
だが探している人影はそこには無かった。
ぐるりと頭を巡らせるとデスク脇の奥まった所に置かれたソファの上で、ミイラみたいに毛布にくるまっている五十嵐を見付けた。
その目の下にうっすらとクマを浮かべた疲れ切った寝顔を眺め、ひとりごちた。
「どうして僕はこんな。。」
最後まで云わずに、瞼を伏せて腹の底から深く息を吐き出した。
「っ!!」
完全に油断していて、身体の横に垂らした手を取られた時には身構えることすら出来なかった。
「続き」
軽く充血した目で僕を見上げ、五十嵐は唸る様に呟いた。
「はぁっ?!」
五十嵐の手を払うことなど容易いことだった。
「“どうしてこんな”の続き、は?」
目を細めて笑った後で、フェードアウトするように瞼が閉じる。
それと同じ速度で僕の手首を掴んでいる手の指から力が抜けてゆく。
しかしそれを振り払わずに、最初から握っていた拳を前へ突き出しぶっきらぼうに云い放つ。
「鍵を返しに来た」
僅かな間があって、五十嵐が口を開いた。
「あ。。すまんな。急に帰れなくなって」
半分眠りに入りそうになっているくぐもった声が、カチンときた。
「帰って来ないなら来れないで連絡くらい。。っ」
うっかりと口にしてしまった言葉を後悔して、下唇を噛み締める。
「。。待ってたのか?俺が帰ってくるのを」
いつの間にか目を開けてこちらを見つめていた五十嵐が、意外そうに、確かめるように訊いてきた。
「ま、待ってなんか。。」
握り締めた手のひらに食い込む硬く冷たい金属の感触。
「そーかそーか!いい子にしてたか?」
満足そうに笑う顔が憎たらしい。
「だからっ!待ってなんかなかったって。。ちょ!聞いてんの?!」
「欲しいならやるよ、それ」
血の気が引く程きつく握り締めた指に、乾いてざらついた唇が触れた。
「合い鍵が無いんならこれが無いと部屋に入れないんでしょう?僕は別に欲しくなんか。。」
口では否定しながらも胸の奥から湧き上がってくるものを否定することが出来ずに、言葉を切って力無く首を横に降った。
「なら何が欲しい?約束か?愛か?」
認めたくない感情を認めざるを得ない。
どうして僕はこんな男(ひと)を好きになりそうになっているのだろう?
戸惑いを隠せない僕に優しく微笑みかけて、低い声が囁き続ける。
「俺はお前が欲しいな」
手を引かれ、上半身を起こした五十嵐の上に倒れ込む格好で腕の中に抱き取られる。
息を詰めてドキドキしていたら頭を撫で回された。
「。。子供扱い?」
「不満?ならどうして欲しいか云えばいいんじゃないのか?」
唇を噛んで上目遣いで睨みつけてから、答えを知っているように薄く笑っている唇に押し付ける様にくちづけをした。
タバコの臭いのする舌で唇をこじ開けられても嫌だと感じるより先に、自分の舌を添わせるようにしてその愛撫に応えていた。
―End―
一応ノックはした。
しかし待てど返事は無くてノブを回すと抵抗なくドアが開いたので、躊躇うこと無く中へ入って行った。
あまりのヤニ臭さに反射的に鼻腔を押さえる。
大袈裟ではなく視界が曇る、タバコの煙が充満した部屋。
そのほぼ中央に在るデスクの上には書類が高く積み上げられていて、奥の棚には法律や犯罪研究の本や資料がびっしりと、几帳面に並んでいる。
だが探している人影はそこには無かった。
ぐるりと頭を巡らせるとデスク脇の奥まった所に置かれたソファの上で、ミイラみたいに毛布にくるまっている五十嵐を見付けた。
その目の下にうっすらとクマを浮かべた疲れ切った寝顔を眺め、ひとりごちた。
「どうして僕はこんな。。」
最後まで云わずに、瞼を伏せて腹の底から深く息を吐き出した。
「っ!!」
完全に油断していて、身体の横に垂らした手を取られた時には身構えることすら出来なかった。
「続き」
軽く充血した目で僕を見上げ、五十嵐は唸る様に呟いた。
「はぁっ?!」
五十嵐の手を払うことなど容易いことだった。
「“どうしてこんな”の続き、は?」
目を細めて笑った後で、フェードアウトするように瞼が閉じる。
それと同じ速度で僕の手首を掴んでいる手の指から力が抜けてゆく。
しかしそれを振り払わずに、最初から握っていた拳を前へ突き出しぶっきらぼうに云い放つ。
「鍵を返しに来た」
僅かな間があって、五十嵐が口を開いた。
「あ。。すまんな。急に帰れなくなって」
半分眠りに入りそうになっているくぐもった声が、カチンときた。
「帰って来ないなら来れないで連絡くらい。。っ」
うっかりと口にしてしまった言葉を後悔して、下唇を噛み締める。
「。。待ってたのか?俺が帰ってくるのを」
いつの間にか目を開けてこちらを見つめていた五十嵐が、意外そうに、確かめるように訊いてきた。
「ま、待ってなんか。。」
握り締めた手のひらに食い込む硬く冷たい金属の感触。
「そーかそーか!いい子にしてたか?」
満足そうに笑う顔が憎たらしい。
「だからっ!待ってなんかなかったって。。ちょ!聞いてんの?!」
「欲しいならやるよ、それ」
血の気が引く程きつく握り締めた指に、乾いてざらついた唇が触れた。
「合い鍵が無いんならこれが無いと部屋に入れないんでしょう?僕は別に欲しくなんか。。」
口では否定しながらも胸の奥から湧き上がってくるものを否定することが出来ずに、言葉を切って力無く首を横に降った。
「なら何が欲しい?約束か?愛か?」
認めたくない感情を認めざるを得ない。
どうして僕はこんな男(ひと)を好きになりそうになっているのだろう?
戸惑いを隠せない僕に優しく微笑みかけて、低い声が囁き続ける。
「俺はお前が欲しいな」
手を引かれ、上半身を起こした五十嵐の上に倒れ込む格好で腕の中に抱き取られる。
息を詰めてドキドキしていたら頭を撫で回された。
「。。子供扱い?」
「不満?ならどうして欲しいか云えばいいんじゃないのか?」
唇を噛んで上目遣いで睨みつけてから、答えを知っているように薄く笑っている唇に押し付ける様にくちづけをした。
タバコの臭いのする舌で唇をこじ開けられても嫌だと感じるより先に、自分の舌を添わせるようにしてその愛撫に応えていた。
―End―
PR
What’s New!!
(01/06)
(11/22)
(11/12)
(12/14)
(05/27)
COMMENT