HYPNOTIC DOLLS annex
企画・リク用別館。 DOLLS・同人・BLに興味の無い方はご遠慮ください。
WINTER SONG。。
- 2010/12/21 (Tue) |
- Novel-三上式- |
- CM(0) |
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三上×式部。激甘(笑
クリスマスイブの話。
このCPでは初めて。。?
外で会う時はまだ緊張する清寿と
それが面白くない三上さん。。
そんな話かもしれません←
クリスマスイブの話。
このCPでは初めて。。?
外で会う時はまだ緊張する清寿と
それが面白くない三上さん。。
そんな話かもしれません←
―crystal―
「少し、歩こうか」
最後に残ったワインを飲み干して置いたグラスの底が、テーブルに触れて澄んだ音を立てた。
「う。。はい」
向かいの席から投げかけられている柔らかな笑みに、緊張して硬くなる。
「うん、でいい」
膝の上からナプキンを持ち上げると軽く口元を拭い、当然の様にそう云うと席を立った。
「は。。うん。。」
くしゃみをしそこねた時みたいな情けない声が出て、三上さんが可笑しそうに目を細めたので赤面する。
いつの間にか会計を済ませてくれていたようで、コートを羽織る後ろ姿に見惚れていたら置いていかれそうになった。
慌ててダウンを着て追い掛けようとした横から背後へ手が伸ばされて、椅子の背に掛けていたマフラーを取り上げる。
「止まって」
例えそうでなくてもこの声で命令っぽい事を云われると、条件反射的に従ってしまう。
三上さんはさも可笑しくて仕方ないという表情(かお)で、直立不動となった僕の首にマフラーをぐるぐる巻いて後ろで端っこを結んでくれた。
「これで良し」
背中に回された手に促されて、ぎこちなく歩いてレストランのドアを潜った。
昨日の昼間から断続的に降り続いていた雪も今は、傘が無くても歩けるくらい小降りになっていた。
外に出ると同時に離された腕に縋るようにそっと自分の腕を絡め、肩に頭を擦り寄せた。
さくり、さくり、と、足元で凍り始めた雪が音を立てる。
その音と同じくらいの大きさで、自分の鼓動が頭の中で響いている。
「清寿」
この状況で名前なんかで呼ばれたらヤバい。
気持ちを落ちつけようと目を固く閉じて腕に顔を押し付けた。
「昨日五十嵐にこう云われたんだ」
悪い予感に一瞬で肌が粟立った。
五十嵐課長は僕達の関係を薄々知っていて、前に釘を刺された事がある、と聞いていた。
確かに三上さんの立場上これが露呈すればダメージになり得る。
けどね、それは誤解なんだ。
僕が一方的に好きで仕方無いだけで、三上さんにとって僕は。。
僕。。は?
「“三上さんちのロシアンブルー、最近毛艶が悪いようですよ。ちゃんと可愛がってますか?”だと」
楽しそうな口調に合わせて白い息がふわりふわりと浮かぶ。
「ロシアンブルー?」
顔を上げて素っ頓狂な声を出してしまった僕を見る瞳が笑っている。
「私は知らなかったんだが猫の種類らしいな。ブルーがかった毛並みの猫だとか?」
「調べたんですか?」
「勿論。そうしたら会いたくなった。いつも急に呼び出してすまない」
頷きながらの答えとらしくない謝罪を口にする、薄く曇った眼鏡のレンズ越しの笑顔を見詰め返す。
やっぱり好きで。
好きで、好き。。で。
貴方も僕の事ほんのちょっぴりでも好きと思ってくれていると信じてもいいのかな。。?
「キス、してもいいですか?」
云い終える前に、語尾を掬い取られるように唇が重ねられた。
「緊張しないで。もっと可愛く云ってごらん」
可愛くって!?
「そんな顔しない」
目の前で吹き出して笑われて。。ちょっと悲しい。
「そんなの三上さんらしくないっ」
拗ねて横を向いたら頬を包むように持たれて、前を向かされた。
「折角のクリスマスイブなんだから。笑って」
悔し涙で少し潤んだ目で、はにかんだように唇を噛んでから微笑み掛けて。
「。。じゃあ、キスして」
今度は合格だったようで。
甘いくちづけを沢山、プレゼントされた。
―End―
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