HYPNOTIC DOLLS annex
企画・リク用別館。 DOLLS・同人・BLに興味の無い方はご遠慮ください。
ignited。。
- 2010/11/29 (Mon) |
- Novel-三上式- |
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三上×式部。R18。。?←
三上さん視点で、
2人で居るのに孤独な夜の話。
TMRの『ignited』のイメージで。
触れてはいけない傷痕。
終わりの予感のする闇の中。。
でも、今だけ、お互いだけ、信じていたい。
決して癒えることのない傷を舐めあって、
更に深みに嵌ってゆく。。
細い月が浮かぶ静かな冬の夜という設定で。
三上さん視点で、
2人で居るのに孤独な夜の話。
TMRの『ignited』のイメージで。
触れてはいけない傷痕。
終わりの予感のする闇の中。。
でも、今だけ、お互いだけ、信じていたい。
決して癒えることのない傷を舐めあって、
更に深みに嵌ってゆく。。
細い月が浮かぶ静かな冬の夜という設定で。
―celadon―
夜中に目が覚める。
ひとりの時も、ふたりの時も。
この役職に就いてから数年来仕事に追われ寝られないのが普通なので、熟睡することを忘れてしまったようだ。
視線を感じてその先を辿ると、目と目が合った。
「眠れないのか?」
自分に向けられた微笑みを見据えて尋ねる。
闇に浮かぶ白い背中を覆う夜の色の髪が揺れて、囁くような返事が返ってきた。
「いつものことだから」
毛布から抜け出してベッドの上に座っていた身体がゆっくり回って正面を向くと、窓を背に逆光となって表情が曖昧になった。
「ウソ。ホントは今目が覚めたばっかり。さっきまでぐっすり眠ってた」
口の端に笑みを湛えたまま瞼を伏せて背中の中央辺りまで伸ばされた髪を後ろに払うと、滑らかな肌のあちこちに残る傷痕が露わになった。
手を伸ばせば届く所に居るのに触れてはいけない物であるかのように、ひとつひとつの動作を見守る。
「綺麗だな」
目が合うと恥らったように肩を竦め、私の視界を遮るように両腕を揃えて身体の前に突いた。
「キレイじゃないよ。全然」
シーツの上を滑らせて差し伸べた手に、手が重ねられて指を繋ぐ。
「尊人さんは眠るのが怖いの?」
引き寄せてくちづけようとする前に問われて、髪の先が私の頬を撫でた。
。。怖い。。?
そんな風に考えた事は今まで一度も無かったが、或いはそれがきちんと眠れない本当の理由なのかもしれない。
「何故そんな?」
「ううん。。なんとなく」
云い淀んだその唇に、触れたいと思う。
この情動を恋愛感情と呼ぶのだということすら、最近まで忘れていた。
「いつも苦しそうな表情(かお)して唸って、夜中に起きてるでしょ」
予想もしていなかった返答に躊躇して、閉ざされてしまった唇を指で撫でる。
「。。綺麗だ、清寿」
瞳の縁に溜まった光が戸惑ったように揺れて。
何か云おうと開かれた口元をくちづけで塞いで、求めて、求められて。
抱き締めた身体は夜気に冷え切っていた。
「僕は貴方の傍に居れば悪夢を見ないで眠れる。でも貴方はそうじゃないんだね。。」
喘いでいるのか、泣いているのか。
乱れた息遣いに紛れて、聞こえなかった振りをする。
それ以上何も考えられなくなるように激しく愛を交わし、熱を帯びた肌が赤く染まり高みへ上りつめようとする寸前に耳元で告白する。
「大切な人を喪って、眠りを失った。お前と同じで」
正確には、特刑開設当時からの同胞の処刑を命じたその時から、安らかに眠ることが出来なくなった。
「違うのは、自分が殺す側だったことだ」
初めて言葉にした独白は甘い嗚咽に掻き消されて。
この先二度と口にすることは無いし、する必要も無い、と、思った。
―End―
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