HYPNOTIC DOLLS annex
企画・リク用別館。 DOLLS・同人・BLに興味の無い方はご遠慮ください。
A drop of jealousy。。3。
- 2012/10/02 (Tue) |
- Novel-三上式- |
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三上×式部。R18(厳守)。
ふたつ前からの「嫉妬」をテーマにした話の3作目。
三上×式部←御子柴前提。
最後は式部視線で。
原田知世『彼と彼女のソネット』のイメージで。
本編、終わってしまいましたね。。
連載中にUP出来なかった話があと少し。
その後の話も書きたいし。。
もうしばらくお付き合いよろしくお願いいたします。
ふたつ前からの「嫉妬」をテーマにした話の3作目。
三上×式部←御子柴前提。
最後は式部視線で。
原田知世『彼と彼女のソネット』のイメージで。
本編、終わってしまいましたね。。
連載中にUP出来なかった話があと少し。
その後の話も書きたいし。。
もうしばらくお付き合いよろしくお願いいたします。
―T'en va pas―
どちらからともなく唇を合わせ、求めあって、身体を重ねる。
2人で会う度にそれが当たり前になっても、緊張しないで自然に触れることが出来るようになっても、近くなったようで、まだ遠い。
職場でもベッドでも冷静だけれど、呼べば返事の代わりにくちづけてくれて、呼んでと云えば僕が果てるまで名前を呼び続けてくれるから、あなたは上司で。。
「僕は尊人さんの、恋人?」
顔を上げて微かに瞳を曇らせたあなたの、額に浮いてきた汗を指先で拭ってからメガネを外してあげる。
下から掬い上げるようにされたくちづけを信じてただ甘えていればいいのに、最近それが出来ない。
「恋人以外にはこんなことはしない」
肌をくすぐる低い声と、甘やかすような愛撫。
「今までで何人目の?」
梳き入れた指にからまる柔らかい髪から、愛用のシャンプーの匂いが立つ。
「今は清寿だけの、という答えでは不満かな?」
それ以上が無いことは分かっている。不満なんてない。けれど。。
「気になるのか?」
少しだけ、と、言葉未満の息遣いで答えると、僕を見下ろす口元が綻んだ。
「おかしいですか?好きな人のことを知りたくなるのは普通でしょう?」
唇を尖らせて非難すれば、微笑んでいるようにしか見えない柔らかな表情を浮かべ、目を細めて僕を見た。
「そんな風にやきもちを妬いてくれるとは思っていなかった。嬉しいな」
「やきもち。。?」
耳元に寄せられた唇が、力を抜いて、と告げると徐にあなたが中に入ってきた。腰がとろけそうに熱くなって背筋がゾクゾクして、ただ喘ぎ続けていたら、指先が、僕の中心に触れてきた。
「段々人間らしくなってゆく。良い事だ」
手のひらで包まれた途端その中で僕は弾け、溢れ出た涙で視界が曇った。
「やきもち妬かれるのって嬉しい?」
しばらくの間動かずに抱き締めてくれていた腕に、額をこすりつける。
「それだけ好かれていると解釈すれば、嬉しいし、」
それを合図に抽送を再開した尊人さんは言葉を切り、小さな吐息を零した。
「他の誰かに心を惹かれているとしても、きちんと騙されてやろうと思える」
今度は僕が溜め息をつく。
笑太君と戯れている様子を目の部屋で誰かが見ているように感じた少し前のあの夜、監視カメラの向こうに居たのは尊人さんだったのかと確信した。
「御子柴の心の穴はお前では塞げない。同じように、お前の心のキズを御子柴が癒すことは出来ない」
口元に薄い笑みを浮かべていても、眼差しから感情は消えて。この表情の時は本心を見抜けない。
「そんなの分かっ。。っ!」
視線が合ったのは一瞬で、上半身を抱き起こされ奥まで突かれたら何も云えないほどに感じて、あなたの言葉も僕がしようとした云い訳も、全てが真っ白になってゆく。
「清寿。そんなに泣いたら、明日、目が腫れる」
両方の瞼にくちづけてくれた後、目尻に溜まった涙を舌先が舐め取る。
「泣かせたのは誰?」
「嫉妬という感情が自分にもあると、今回初めて知ったよ」
驚いて目を開けると汗ばんでいるあなたの顔が見えて、その表情が真剣そのもので、からかわれているのではないと知る。
「清寿を私だけのものにするにはどうしたらいい?」
やきもちを妬かれるのが嬉しいというのは、こういう感じなんだ。
ここで笑ったら、怒られるかな?笑うな!って、笑太君に云われたみたいに。
でも頬が自然に弛んでしまう。
「愛してる、って、時々云ってくれればいいです」
じゃないと僕が不安になるから。
そんなただの我儘でも今のあなたなら許してくれそうだから、どさくさ紛れに云うだけ云ってみる。
「愛してる」
改めてそう囁かれたら、胸が、きゅん、と、苦しくなった。
「愛してる。。」
首に回した両腕に力を籠めると僕の腰を抱く尊人さんの手が熱くなって。
「僕も、ずっと」
共に果てても抱き合ったまま、幸せな気持ちのまんまで眠りに落ちた。
―End―
どちらからともなく唇を合わせ、求めあって、身体を重ねる。
2人で会う度にそれが当たり前になっても、緊張しないで自然に触れることが出来るようになっても、近くなったようで、まだ遠い。
職場でもベッドでも冷静だけれど、呼べば返事の代わりにくちづけてくれて、呼んでと云えば僕が果てるまで名前を呼び続けてくれるから、あなたは上司で。。
「僕は尊人さんの、恋人?」
顔を上げて微かに瞳を曇らせたあなたの、額に浮いてきた汗を指先で拭ってからメガネを外してあげる。
下から掬い上げるようにされたくちづけを信じてただ甘えていればいいのに、最近それが出来ない。
「恋人以外にはこんなことはしない」
肌をくすぐる低い声と、甘やかすような愛撫。
「今までで何人目の?」
梳き入れた指にからまる柔らかい髪から、愛用のシャンプーの匂いが立つ。
「今は清寿だけの、という答えでは不満かな?」
それ以上が無いことは分かっている。不満なんてない。けれど。。
「気になるのか?」
少しだけ、と、言葉未満の息遣いで答えると、僕を見下ろす口元が綻んだ。
「おかしいですか?好きな人のことを知りたくなるのは普通でしょう?」
唇を尖らせて非難すれば、微笑んでいるようにしか見えない柔らかな表情を浮かべ、目を細めて僕を見た。
「そんな風にやきもちを妬いてくれるとは思っていなかった。嬉しいな」
「やきもち。。?」
耳元に寄せられた唇が、力を抜いて、と告げると徐にあなたが中に入ってきた。腰がとろけそうに熱くなって背筋がゾクゾクして、ただ喘ぎ続けていたら、指先が、僕の中心に触れてきた。
「段々人間らしくなってゆく。良い事だ」
手のひらで包まれた途端その中で僕は弾け、溢れ出た涙で視界が曇った。
「やきもち妬かれるのって嬉しい?」
しばらくの間動かずに抱き締めてくれていた腕に、額をこすりつける。
「それだけ好かれていると解釈すれば、嬉しいし、」
それを合図に抽送を再開した尊人さんは言葉を切り、小さな吐息を零した。
「他の誰かに心を惹かれているとしても、きちんと騙されてやろうと思える」
今度は僕が溜め息をつく。
笑太君と戯れている様子を目の部屋で誰かが見ているように感じた少し前のあの夜、監視カメラの向こうに居たのは尊人さんだったのかと確信した。
「御子柴の心の穴はお前では塞げない。同じように、お前の心のキズを御子柴が癒すことは出来ない」
口元に薄い笑みを浮かべていても、眼差しから感情は消えて。この表情の時は本心を見抜けない。
「そんなの分かっ。。っ!」
視線が合ったのは一瞬で、上半身を抱き起こされ奥まで突かれたら何も云えないほどに感じて、あなたの言葉も僕がしようとした云い訳も、全てが真っ白になってゆく。
「清寿。そんなに泣いたら、明日、目が腫れる」
両方の瞼にくちづけてくれた後、目尻に溜まった涙を舌先が舐め取る。
「泣かせたのは誰?」
「嫉妬という感情が自分にもあると、今回初めて知ったよ」
驚いて目を開けると汗ばんでいるあなたの顔が見えて、その表情が真剣そのもので、からかわれているのではないと知る。
「清寿を私だけのものにするにはどうしたらいい?」
やきもちを妬かれるのが嬉しいというのは、こういう感じなんだ。
ここで笑ったら、怒られるかな?笑うな!って、笑太君に云われたみたいに。
でも頬が自然に弛んでしまう。
「愛してる、って、時々云ってくれればいいです」
じゃないと僕が不安になるから。
そんなただの我儘でも今のあなたなら許してくれそうだから、どさくさ紛れに云うだけ云ってみる。
「愛してる」
改めてそう囁かれたら、胸が、きゅん、と、苦しくなった。
「愛してる。。」
首に回した両腕に力を籠めると僕の腰を抱く尊人さんの手が熱くなって。
「僕も、ずっと」
共に果てても抱き合ったまま、幸せな気持ちのまんまで眠りに落ちた。
―End―
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