HYPNOTIC DOLLS annex
企画・リク用別館。 DOLLS・同人・BLに興味の無い方はご遠慮ください。
Happy Halloween!
- 2012/10/23 (Tue) |
- Novel-五十璃- |
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五十嵐×上條。
五十嵐さんはこういうことが出来ちゃいそうな大人のイメージ。
璃宮はどんなに強がってみせてもまだ若い、というか、コドモで。
手のひらの上で転がされているうちに惚れていってしまうのだろうなぁ。。
そんな勝手な妄想(笑)から降りてきた、
やや甘めのHalloweenの話です。
五十嵐さんはこういうことが出来ちゃいそうな大人のイメージ。
璃宮はどんなに強がってみせてもまだ若い、というか、コドモで。
手のひらの上で転がされているうちに惚れていってしまうのだろうなぁ。。
そんな勝手な妄想(笑)から降りてきた、
やや甘めのHalloweenの話です。
―Before All Saints' Day―
「似合うじゃないか」
ドアが開く音に視線を上げると、入口から真っ直ぐに歩いて来て目の前に立った璃宮へ五十嵐は悠然と笑みを返した。
璃宮は不機嫌そうな表情(かお)のままで頬を上気させ、何か云い返そうとしたのか口元が小さく動いたが、きゅっと唇を結ぶとコートを脱いだ。
「まぁ、ほら。まず座って」
傍の壁にあったフックにそのコートを無造作に掛けると、璃宮はますます渋い表情になって勧められた椅子にストンッと腰掛けた。
「何飲む?カプチーノでいいな?」
仏頂面の璃宮が頷く前に片手を上げて近付いてきた店員へカプチーノを注文した五十嵐は、非常に上機嫌だった。
「ねぇ」
席に着いてから数分経って、ずっと前を睨み付けていた璃宮がやっと口を開いた。
「ん?」
気の抜けた返事にイラだちそうになったのを抑えるように、一瞬強い光を帯びた瞳を伏せてから開くと一度大きく息を吸って、言葉と一緒に吐きだした。
「何あれ?プレゼントのつもり?」
五十嵐は既に冷めきっているコーヒーを一口啜ると、にこにことしてそれに返した。
「驚いたか?」
「驚いたどころじゃないよ。どうやって、てか、どうしてあんな。。!!」
璃宮の顔が真っ赤に染まり今にも立ち上がりそうになったのを、五十嵐が手で制する。
ハッ、として周囲を見渡すと、広くもないカフェの店内には他にもう1人だけ客が居たが、イヤホンをつけてPCを弄っているのでこちらの様子には気付かなかったようだ。
「諜報課は僕達のロッカーの鍵まで持ってるの?」
声を潜めて、だが強い口調で璃宮が非難するように問うと、五十嵐は首を横に振った。
「いいや。持ってない」
「じゃあどうやって?!」
「ロッカーを開ける方法なんていくらでもある」
「そういうの、犯罪、って云うんだよ」
「人聞き悪いな。せめて悪戯くらいにしといてくれよ」
「悪戯ぁ!?」
呆れたように璃宮が呟いた時、注文したカプチーノが運ばれてきた。
そのミルクの泡の上に描かれた絵を見て顔を上げると、店員はにっこりと微笑んで説明した。
「ハロウィンの時期だけ限定のジャックランタンです。ごゆっくりどうぞ」
ハロウィン。。と、口の中で小さく呟いた璃宮に、五十嵐はふふっと笑って云った。
「Trick or Treat?」
無精髭が朝より伸びてきた顔を憎々しげに睨んでみたが、それがまた嬉しいようで相手は更に機嫌良く目元に皺を寄せて璃宮がカプチーノを飲むのを見ている。
「あれ、サイズもぴったりだっただろ?」
「。。うん」
全てが五十嵐の計算通りだったとすれば、一体どこから悪戯の仕掛けだったのだろう?と、璃宮は頭の中で今日1日を振り返った。
第3部隊の本日の任務は最初の1件だったが急遽もう1件増えて、全ての処刑を完遂したらもう夜になっていた。
任務完了報告を済ませ、瑞城が報告書を書き終えるのを待機室のソファでごろごろしながら待っていたら、五十嵐から1時間後にいつものカフェで待っているとメールが来た。
休暇もほとんど無いほど多忙な諜報課課長の呼び出しが1時間後というのは急な話で、そんな時間に仕事が終わるワケが無いからまた待ちぼうけを食うのかなと思いながら、瑞城と元親に急用が出来たと伝え先に上がらせてもらい、着替えようとロッカーを開けた時その異変に気付いた。
今朝着てきたコートの上に見慣れぬスチールグレー色のトレンチコートがかかっていて、ポケットを探ると『璃宮へ』とだけ印刷されたカードが入っていた。
警戒しながらも着てみると身体にしっくりと馴染み、袖の長さや丈までぴったりなところをみるとこのコートを準備したのは璃宮の体型を熟知している人物に限られる。
怪しまれずに特刑隊員のロッカールームに入ることが出来、しかもこんな手の込んだことをしそうなのは五十嵐しかいない。そうなると唐突な呼び出しの意味もこれに気付かせる為だったのか!と分かって、頭に血が上った。
何より腹が立ったのは個人のロッカーを勝手に開けたことで、例え特別な関係であろうとそれは周囲には秘密なのだからこういうことは金輪際止めて欲しいとハッキリ云おうと思って息巻いてここまで来たのに、これでは怒るに怒れなくなってしまった。
「色も形も絶対に似合うと思って買っておいたんだが最近時間が取れなくって渡しそびれていてさ。ちょっとハロウィンに便乗してみた」
そういえば2人きりで会うのは数ヶ月ぶりだ。
「コート。。新しいのが欲しかったから。ありがと」
「うん、前にそう云ってたなと思って」
「え?云ってたっけ?」
「去年だったかな?確かに云ってた」
云った本人でさえ忘れているそんなことまで覚えているのかと、璃宮は相手の顔をまじまじと見つめた。
「ところで璃宮、ご褒美は?」
「は?」
「ご褒美くれなきゃ悪戯するぞ~!」
おどけたように云う五十嵐に気付かれぬように周囲を窺うと、先刻まで居た客もいつの間にか帰っていたようで、席の近くには誰も居なかった。
ちょいちょい、と、璃宮が指先で呼ぶようにすると、五十嵐は、おや?という表情で顔を近付けてきた。
そっと頬にキスをしようとした瞬間に顔の位置を少しずらされて唇で唇を受け止められた時、五十嵐には敵わないと璃宮は観念して目を閉じた。
―End―
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