HYPNOTIC DOLLS annex
企画・リク用別館。 DOLLS・同人・BLに興味の無い方はご遠慮ください。
3周年記念。。
- 2010/03/09 (Tue) |
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本館サイトが3周年目を迎えました。
そちらでは御子式で2本書いたのですが、こちらへは別CPで記念の作品を。。
三上×式部。
全てのはじまりは朝から。。
新しい日々が始まる予感がする。そんな話。
まだ続けられそう?。。です(笑
これからもどうぞよろしくお願いします。
そちらでは御子式で2本書いたのですが、こちらへは別CPで記念の作品を。。
三上×式部。
全てのはじまりは朝から。。
新しい日々が始まる予感がする。そんな話。
まだ続けられそう?。。です(笑
これからもどうぞよろしくお願いします。
―はじまりの気配―
コーヒーの香り。
パンを焼く香ばしい匂い。
薄く瞼を開いて見ると隣には誰か寝ていたという余韻だけ残っていて。
遠く、向こうの方で人が動く音がする。
こんな目覚めを迎える日が来るとは。
不思議、としか云えない感覚。
「おはようございます」
視界の中央に突然顔が現れて、にこりと笑った。
肩から滑り落ちる髪に朝日が当たってサラサラと光る。
「。。おはよう」
ベッドの端に突いた両腕を伸ばし上半身を乗り出して、
式部は上から私の顔を見下ろしおっとりと云った。
「朝ごはん。出来てますよ、三上さん」
ゆっくりと顔が近付いてきて控えめなくちづけが唇を掠ると、
身体を支える為に片膝を乗せた反動でベッドマットが揺れた。
物足りない感じがして微笑んでいる頬に伸ばした手の上に、
そっと手のひらが重ねられる。
「材料は。。どうしたんだ?」
「材料?」
「コーヒーとか。。食材。。」
ぷはっ、と吹き出すように息を吐いて式部が笑った。
「三上さんちキッチンに見事になぁんにも無いんだもん」
そして片目を瞑ってみせる。
「合鍵貰ってから内緒で少しづつ揃えておいたんだ」
頬に添えた手の指先で、笑いっぱなしの目の縁を擦る。
「いつ帰って来れるか分からないのに?」
「いつ帰ってきても大丈夫なように」
頬から顎へ、首筋へと滑らせた手で、襟を崩す。
「脱いで」
濃茶色のバスローブに包まれた、細いが筋肉の付いた肩。
それを剥き出しにするように前をはだけさせる。
「えっ、今?!」
「そう。今」
枕元に置いてあった眼鏡を取って掛ける。
式部はやや困惑したような恥ずかしそうな顔で俯いて、
両足をベッドの上に乗せて正座をした。
「身体中傷だらけだよ?」
隊員が怪我をした時は別個に治療報告書が上がってくる。
危険な任務に就くことが多いだけに、第一が負傷する機会は多い。
「知ってる」
仕方ないなぁ。。。と小さく呟き戸惑いながらローブを脱ぎ捨てた、
その腹に残る引き攣った傷痕を明るいところで見るのは初めてだ。
「。。!」
皮膚が盛り上がったように瘢痕化しているところに触れると、
式部の身体に緊張が走った。
「もう痛まないだろう?」
「痛まないけど。。ここはまだ笑太君にしか見せたこと無くって。。
でも三上さんにしか触らせてなくて。。だからっ、あの。。」
歪んだ星の形をした、醜悪な傷。
指先で外周をなぞると手のひらで覆って、視界から消す。
「恥ずかしいから。。もう着てもいい?」
身体の傷など気にならない。
お前はお前なのだから。
そう云ってやったら楽になる?それとももっと気にするか。。
「そこの箪笥の」
式部の背後を顎で示すと、それを目で追って振り返った。
その瞬間漂ったのは、嗅ぎ慣れてきた髪の香り。
「一番上の段にパジャマが入っているからそれを着なさい。
私が居ても居なくても、自由に使っていいから」
ベッドから飛び降りて箪笥に駆け寄って一度立ち止まり、
こちらを振り返って泣きそうな顔で笑うばかりで言葉が出ない。
「早く。その格好じゃ風邪をひく」
自分のパジャマをお前が着ている情景も、
見慣れれば不思議とは感じなくなるのだろう。
「三上さん、寝ちゃダメ。朝ごはんっ!」
ここに居て初めて感じる“朝”の気配へと両手を差し伸べて、
胸の中に強く抱き寄せた。
―End―
コーヒーの香り。
パンを焼く香ばしい匂い。
薄く瞼を開いて見ると隣には誰か寝ていたという余韻だけ残っていて。
遠く、向こうの方で人が動く音がする。
こんな目覚めを迎える日が来るとは。
不思議、としか云えない感覚。
「おはようございます」
視界の中央に突然顔が現れて、にこりと笑った。
肩から滑り落ちる髪に朝日が当たってサラサラと光る。
「。。おはよう」
ベッドの端に突いた両腕を伸ばし上半身を乗り出して、
式部は上から私の顔を見下ろしおっとりと云った。
「朝ごはん。出来てますよ、三上さん」
ゆっくりと顔が近付いてきて控えめなくちづけが唇を掠ると、
身体を支える為に片膝を乗せた反動でベッドマットが揺れた。
物足りない感じがして微笑んでいる頬に伸ばした手の上に、
そっと手のひらが重ねられる。
「材料は。。どうしたんだ?」
「材料?」
「コーヒーとか。。食材。。」
ぷはっ、と吹き出すように息を吐いて式部が笑った。
「三上さんちキッチンに見事になぁんにも無いんだもん」
そして片目を瞑ってみせる。
「合鍵貰ってから内緒で少しづつ揃えておいたんだ」
頬に添えた手の指先で、笑いっぱなしの目の縁を擦る。
「いつ帰って来れるか分からないのに?」
「いつ帰ってきても大丈夫なように」
頬から顎へ、首筋へと滑らせた手で、襟を崩す。
「脱いで」
濃茶色のバスローブに包まれた、細いが筋肉の付いた肩。
それを剥き出しにするように前をはだけさせる。
「えっ、今?!」
「そう。今」
枕元に置いてあった眼鏡を取って掛ける。
式部はやや困惑したような恥ずかしそうな顔で俯いて、
両足をベッドの上に乗せて正座をした。
「身体中傷だらけだよ?」
隊員が怪我をした時は別個に治療報告書が上がってくる。
危険な任務に就くことが多いだけに、第一が負傷する機会は多い。
「知ってる」
仕方ないなぁ。。。と小さく呟き戸惑いながらローブを脱ぎ捨てた、
その腹に残る引き攣った傷痕を明るいところで見るのは初めてだ。
「。。!」
皮膚が盛り上がったように瘢痕化しているところに触れると、
式部の身体に緊張が走った。
「もう痛まないだろう?」
「痛まないけど。。ここはまだ笑太君にしか見せたこと無くって。。
でも三上さんにしか触らせてなくて。。だからっ、あの。。」
歪んだ星の形をした、醜悪な傷。
指先で外周をなぞると手のひらで覆って、視界から消す。
「恥ずかしいから。。もう着てもいい?」
身体の傷など気にならない。
お前はお前なのだから。
そう云ってやったら楽になる?それとももっと気にするか。。
「そこの箪笥の」
式部の背後を顎で示すと、それを目で追って振り返った。
その瞬間漂ったのは、嗅ぎ慣れてきた髪の香り。
「一番上の段にパジャマが入っているからそれを着なさい。
私が居ても居なくても、自由に使っていいから」
ベッドから飛び降りて箪笥に駆け寄って一度立ち止まり、
こちらを振り返って泣きそうな顔で笑うばかりで言葉が出ない。
「早く。その格好じゃ風邪をひく」
自分のパジャマをお前が着ている情景も、
見慣れれば不思議とは感じなくなるのだろう。
「三上さん、寝ちゃダメ。朝ごはんっ!」
ここに居て初めて感じる“朝”の気配へと両手を差し伸べて、
胸の中に強く抱き寄せた。
―End―
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