HYPNOTIC DOLLS annex
企画・リク用別館。 DOLLS・同人・BLに興味の無い方はご遠慮ください。
あげたいもの。その3+α 。
- 2009/11/13 (Fri) |
- Novel |
- CM(0) |
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お題『清寿にあげたいもの』
御子柴×式部。
ケーキ作り苦戦中の藤堂と柏原(息子達)を見守る笑太(父)と清寿(母)的な話?!←
いやいや、あげたいもの=欲しいもの、という話(笑
『あげたいもの。3の2』の番外編です。
1ヶ月半近く遅れてしまいましたが。。
Happy Birthday 清寿☆
これにてハピバ☆企画は終了。
で、次の企画へ進みます。。
御子柴×式部。
ケーキ作り苦戦中の藤堂と柏原(息子達)を見守る笑太(父)と清寿(母)的な話?!←
いやいや、あげたいもの=欲しいもの、という話(笑
『あげたいもの。3の2』の番外編です。
1ヶ月半近く遅れてしまいましたが。。
Happy Birthday 清寿☆
これにてハピバ☆企画は終了。
で、次の企画へ進みます。。
―Wait for The Time Being―
キッチンから漏れ聴こえてくる羽沙希と柏原の声。
耳を澄ませば内容まで分かるだろうに、
清寿はわざとそれを聞かないように努力していて、
ベッドの上で枕を抱えて雑誌を読んでいるフリをしている。
時折ページを捲っていても、
内容はほとんど頭に入っていないだろう。
ガチャン!
「あ!」
「。。。あ」
何かを落としたような音と2人の声に肩を竦ませて、
俺の顔を上目遣いで見てから視線を逸らす。
「そんなに心配なら。。。」
「ううん。心配なんてしてないしてない」
自分から誕生日ケーキを手作りして欲しいと云った手前、
口も手も挟まないと清寿は意地を張る。
無駄な意地。
俺はそう思うけど。
「いい香りがしてきた」
キッチンから流れてくるにおいをくんくんと嗅いで、
清寿に笑顔が戻る。
「ん。美味そうなにおいだな」
お菓子が焼ける甘ったるい匂い。
「腹、減ったな」
ぐ~っと鳴った腹を押さえて呟くと、
清寿は満面の笑みを浮かべた。
「うん。空いたね」
寝転んで読んでいた新聞を胸の上へ下ろし、
横に座る清寿の尻をこつんと突付く。
「飯は?出来てんの?」
その手をちらっと見て目は雑誌に戻し、
触れてきた清寿の指に指を絡ませる。
「冷めちゃったのを温め直せばいいだけだよ」
「じゃ、直ぐ食えるな」
くすくすと可笑しそうに清寿が笑った。
「こんな賑やかな誕生日もたまにはいいよね?」
楽しそうな清寿の様子を見て余計な一言を云ってしまう。
「ふたりだけだといつもと代わり映えしねぇからな」
鈍い様で鋭い清寿が声を上げて笑う。
「たまには、だから“みんなで”もいいんだよ」
胸に置いた新聞紙の上から手のひらで俺の身体を押さえ、
清寿は目を細めて悪戯っぽく微笑んだ。
「本当は笑太君とふたりだけの方がいいに決まってる」
どきっ、とした時、近くで人の気配がした。
「式部隊長」
柏原が止めようと伸ばした手が届かずに空を切り、
羽沙希が普通の顔で声を掛けてきた。
「お誕生日おめでとうございます。これ、お約束の」
差し出された皿の上には、
少しづつ歪んだ形のホットケーキを数枚重ねて厚みを出し、
生クリームと果物を飾ったケーキ?が乗っていた。
「わ~美味しそ~!」
「。。。」
「マジで云ってる?」
無言の羽沙希と疑心暗鬼で尋ねる柏原に微笑みかけて、
清寿は大きく頷いた。
「うん、本気。どうもありがとう」
皿ごと受け取ったケーキを持って清寿が振り返る。
「ね?笑太君。美味しそうだよね?」
「ん~。そう。。。かな?」
清寿が笑顔を見せるとテーブルの中央に空間を開けて、
大事そうにケーキを置いた。
「お料理温め直してくるからちょっと待ってて」
「あっ!待って、まだ片付けが。。。!」
柏原の制止も空しく、
キッチンに入って行った清寿が短い悲鳴をあげて、
その直後大笑いを始めた。
それを聞いて慌てて柏原が羽沙希の首根っこを掴んで、
キッチンへ駆け込んで行く。
―― たまにはって云ったって誕生日は年に一度しか無いんだぞ。
あの時そこまで云わなかったのは清寿が嬉しそうだったからだ。
「俺も大人にならないと。だよな」
―Happy Birthday~♪
キッチンから漏れ聴こえてくる羽沙希と柏原の声。
耳を澄ませば内容まで分かるだろうに、
清寿はわざとそれを聞かないように努力していて、
ベッドの上で枕を抱えて雑誌を読んでいるフリをしている。
時折ページを捲っていても、
内容はほとんど頭に入っていないだろう。
ガチャン!
「あ!」
「。。。あ」
何かを落としたような音と2人の声に肩を竦ませて、
俺の顔を上目遣いで見てから視線を逸らす。
「そんなに心配なら。。。」
「ううん。心配なんてしてないしてない」
自分から誕生日ケーキを手作りして欲しいと云った手前、
口も手も挟まないと清寿は意地を張る。
無駄な意地。
俺はそう思うけど。
「いい香りがしてきた」
キッチンから流れてくるにおいをくんくんと嗅いで、
清寿に笑顔が戻る。
「ん。美味そうなにおいだな」
お菓子が焼ける甘ったるい匂い。
「腹、減ったな」
ぐ~っと鳴った腹を押さえて呟くと、
清寿は満面の笑みを浮かべた。
「うん。空いたね」
寝転んで読んでいた新聞を胸の上へ下ろし、
横に座る清寿の尻をこつんと突付く。
「飯は?出来てんの?」
その手をちらっと見て目は雑誌に戻し、
触れてきた清寿の指に指を絡ませる。
「冷めちゃったのを温め直せばいいだけだよ」
「じゃ、直ぐ食えるな」
くすくすと可笑しそうに清寿が笑った。
「こんな賑やかな誕生日もたまにはいいよね?」
楽しそうな清寿の様子を見て余計な一言を云ってしまう。
「ふたりだけだといつもと代わり映えしねぇからな」
鈍い様で鋭い清寿が声を上げて笑う。
「たまには、だから“みんなで”もいいんだよ」
胸に置いた新聞紙の上から手のひらで俺の身体を押さえ、
清寿は目を細めて悪戯っぽく微笑んだ。
「本当は笑太君とふたりだけの方がいいに決まってる」
どきっ、とした時、近くで人の気配がした。
「式部隊長」
柏原が止めようと伸ばした手が届かずに空を切り、
羽沙希が普通の顔で声を掛けてきた。
「お誕生日おめでとうございます。これ、お約束の」
差し出された皿の上には、
少しづつ歪んだ形のホットケーキを数枚重ねて厚みを出し、
生クリームと果物を飾ったケーキ?が乗っていた。
「わ~美味しそ~!」
「。。。」
「マジで云ってる?」
無言の羽沙希と疑心暗鬼で尋ねる柏原に微笑みかけて、
清寿は大きく頷いた。
「うん、本気。どうもありがとう」
皿ごと受け取ったケーキを持って清寿が振り返る。
「ね?笑太君。美味しそうだよね?」
「ん~。そう。。。かな?」
清寿が笑顔を見せるとテーブルの中央に空間を開けて、
大事そうにケーキを置いた。
「お料理温め直してくるからちょっと待ってて」
「あっ!待って、まだ片付けが。。。!」
柏原の制止も空しく、
キッチンに入って行った清寿が短い悲鳴をあげて、
その直後大笑いを始めた。
それを聞いて慌てて柏原が羽沙希の首根っこを掴んで、
キッチンへ駆け込んで行く。
―― たまにはって云ったって誕生日は年に一度しか無いんだぞ。
あの時そこまで云わなかったのは清寿が嬉しそうだったからだ。
「俺も大人にならないと。だよな」
―Happy Birthday~♪
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